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財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
旧産炭地域で高齢化の進んだ本市は、歳入に占める地方交付税の割合が高く、財政力指数が類似団体を大きく下回っており、平成24年度より横ばいで推移している。平成21年度当時より、財政基盤の確立と市民に信頼される行政経営の実現を目指し、「荒尾市中期財政計画(平成22年度~26年度)」を策定、財政運営の指針として実施してきた。現在も上記の計画の考え方を基礎とし、財政の健全化を図っている。
歳出総額に対する扶助費を中心とした義務的経費の割合が高い傾向があり、経常収支比率は慢性的に高い傾向にあったが、平成27年度は経常一般財源である地方消費税交付金や普通交付税の増額により、一時的に減少した。しかし、平成28年度は上記の経常一般財源の減少や扶助費、公債費が増加したことにより、再び90%台となっている。
類似団体平均に比べ、人件費、物件費ともに低く推移している。これまでの行財政改革の効果が出ているものと考えられる。今後、業務の多様化等により、職員数が増加し、人件費は増加していくことが予想されるが、適正な定員管理に取り組んでいく。
財政健全化のため平成16年度から実施していた給与削減措置は平成23年12月に終了した。平成23,24年度は国家公務員の給与減額措置により100を越えているが、平成25年度以降は、平成22年度の97.0と比較すると横ばいとなっている。平成28年度は類似団体の平均よりも1.7ポイント低くなっている。今後も他団体の状況を踏まえて、必要に応じて給与制度を見直していく。
これまでの行財政改革による大幅な職員数削減により、類似団体、全国平均、熊本県平均を下回り、ここ数年は横ばいとなっている。近年の市町村を取り巻く状況として、地方分権の進展による業務量増大、住民ニーズの多様化、複雑化がますます進んでおり、職員一人一人に求められる業務の負担が増していることを背景に、平成28年度は人員増を行なった結果、類似団体の平均よりも0.06人上回った。将来的な人口減と行政サービスの質・量の増との適切なバランスをとるために、適正な定員管理に取り組んでいく。
平成27年度と比べて0.6%減少している。主な要因として、病院事業に要する経費の財源とする地方債の償還の財源に充てたと認められる繰入金が減少したこと(-0.7億円)が挙げられる。今後控えている市民病院立替事業や競馬場跡地の土地区画整理事業、公共施設の老朽化対策事業について、緊急度や住民ニーズを的確に把握し、起債に過度に頼ることのない財政運営に努める。
平成27年度と比べて11.4%減少している。主な要因として、財政調整基金の積立(4.1億円)や公共施設整備基金の積立(5億円)を行い、充当可能な基金が増加したことが挙げられる。しかし、今後は市民病院建替事業や競馬場跡地の土地区画整理事業など、多額の臨時的経費の発生が見込まれており、基金の取崩しが予想されるため、将来への負担が急激に増加しないように、引き続き財政の健全化に努める。
人件費に係る経常収支比率は、平成28年度においても退職手当の減少等により19.4%と類似団体の平均を大きく下回っている。今後は退職者数の見込も10名未満で推移する一方、若年層の職員の昇給による増額が少しずつ見込まれることから、引き続き適切な定員管理により人件費の水準を維持していく。
物件費に係る経常収支比率が類似団体平均より低くなっているのは、行財政改革による事務事業の見直しなどにより、経費節減に努めた効果が表れていると考えられる。今後も引き続き水準を抑えるよう努める。平成28年度決算としては、給食センターの調理配送業務を委託したこと等により1%増加している。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を大きく上回る要因として、生活保護事業費や障害者自立支援給付事業費(障害福祉サービス事業)が高いことがあげられる。特に、介護・訓練等・障害児通所給付費支給事業費については、毎年10%程度増加している。各種社会保障関連経費については、今後も少子・高齢化の進行や制度改正等により、大きな増額が見込まれる。
その他に係る経常収支比率は、平成27年度と比べると0.5%増加している。主な要因としては、後期高齢者医療費の療養負担金の増加等が挙げられる。高齢化率の上昇、医療技術の高度化により、特別会計への繰出金は今後も増加が見込まれる。
補助費等に係る経常収支比率が類似団体平均を従来より上回っているのは、病院事業を抱え、また清掃を組合組織で行っていることが主な要因である。他にも一部事務組合(消防)もあるが、これら組合とも連携しながら、適正な支出に努めていき、補助費等においても精査しながら適正な支出に努める。平成28年度決算としては、市民病院への支出金が減少したこと等により1.4%減少している。
公債費に係る経常収支比率は、平成28年度において12.7%と類似団体平均と比べて低い水準にある。これは、不要不急の事業見直しの継続によるものである。今後は、競馬場跡地の土地区画整理事業や公共施設の老朽化対策事業により増加が見込まれる。
平成26年度までは類似団体平均を大きく上回っていたが、平成27年度より人件費が減少したこと等に伴い、類似団体平均と同じ水準となった。平成28年度も類似団体平均とほぼ同じ水準であるが、扶助費の経常収支比率が大きく増加していることから、今後は類似団体平均を上回る可能性もある。
類似団体内平均値とほぼ同じ水準となっている。本市では、平成28年度末に荒尾市公共施設等総合管理計画を策定、計画期間内に施設総量の15%(約4万㎡)、将来的には、今後40年間で施設総量の30%(約8万㎡)の削減を目標とし、長期的な視点を持って計画的に公共施設等の更新・統廃合などを進めていく。
類似団体内平均値と比べると、将来負担比率は低い水準にある一方、有形固定資産減価償却率は若干高くなっている。主な要因としては、保育所、公民館、図書館、体育施設、保健センター、消防施設等、建物の減価償却率が高くなっていることが挙げられる。
将来負担比率については、減少傾向にあり、類似団体内平均値と比べても低い水準にある。平成27年度においても財政調整基金や国民健康保険財政調整基金の積立額の増加等により減少している。実質公債費比率については、平成24年度から増加していたが、平成27年度においては減少している。これは、平成26年度に退職手当債の繰上償還を実施したこと等により元利償還額が少なかったこと、また、普通交付税の額が増加したこと等が要因である。
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