施設情報の分析欄
【道路】について、減価償却率は類似団体とほぼ同水準であるが、1人当たり延長が類似団体よりも多くあることから、今後の道路の維持管理・改修に対する費用が多くかかることが見込まれるため、優先的に工事を実施する路線を検討し、改修の効率化と費用の平準化を図っていく。【認定こども園・幼稚園・保育所】について、平成28年度は類似団体よりも減価償却率が高かったが、令和2年度には八田保育園の改築を実施するなど、経年的にこどもへの安全の配慮のため各保育所の改修・改築などを実施しており、令和2年度には大幅に類似団体よりも低くなった。その他の施設について、【橋梁・トンネル】【公民館】は、少し類似団体よりも減価償却が進んでいるが、全体的に減価償却が進んでいる施設はほとんどない。今後も公共施設マネジメントの観点のもと、公共施設等総合管理計画に則りながら、適切に管理を進めていく。
施設情報の分析欄
【体育館・プール】は類似団体よりも有形固定資産減価償却率が著しく高く、「いの町立伊野体育館」と「吾北体育館」のいずれも老朽化が著しく進んでいる。今後は、施設の利用状況や位置情報から施設の統廃合や大規模改修などの実施を検討する。【福祉施設】について、老朽化率は83.6%となっており、類似団体よりも高くなっている。施設別にみると「ウェルネス伊野」の老朽化が進んでおり、「吾北デイサービスセンター「すこやか」」については老朽化はあまり進んでいない。その他の施設については、老朽化比率は類似団体並かそれ以下となっており、公共施設マネジメントは適切に行われている。今後は老朽化が進んでいる施設における公共施設マネジメントの検討を進めていく。
1.資産・負債の状況
一般会計等の令和2年度の資産額は62,942百万円、負債額は20,034百万円となり、前年度に比べ、資産額は508百万円、負債額は552百万円の増加となった。資産額の増加は、「山荘しらさ」や「八田保育園」の改築工事や「北浦地区灌漑対策事業」、また、道路などのインフラ資産の改良工事を行ったことによる有形固定資産の増加によるものである。全体会計の令和2年度の資産額は72,713百万円、負債額は28,242百万円であり、前年度に比べ資産額は394百万円の増加、負債額は477百万円の増加となった。資産額の増加要因は、下水道事業会計の建物(事業用資産)とインフラ資産の増加が要因と考えられる。連結会計の令和2年度の資産額は76,420百万円、負債額は29,403百万円となり、前年度に比べ、資産額は836百万円の増加、負債額は877百万円の増加となった。全体として令和2年度は、資産、負債共に増加という動きになっている。
2.行政コストの状況
一般会計等については、令和2年度の純経常行政コストが13,215百万円となっており、前年度より2,951百万円の増加となっている。経常費用の内訳としては、人件費が2,659百万円、物件費等が3,765百万円、移転費用が7,447百万円であった。最も金額の大きい移転費用の内、補助金が最も大きく5,069百万円となっていおり、この主な要因としては、新型コロナウイルス感染症対策における増加が考えられる。補助金に関しては経常経費のうち約36.1%を占めていることから、コストの縮減を行っていく上では、補助金の支出先や支出額について検討を行っていく必要がある。経常費用に対して、経常収益は834百万円であった。全体会計の経常費用の内訳としては、人件費が3,928百万円、物件費等が5,108百万円、移転費用は12,175百万円であった。全体会計に関しては、国民健康保険事業のコストが最も高く純経常行政コストが3,051百万円となっており、一般会計等と同様に補助金の支出が最も大きくなっている。連結会計では、連結対象の一部事務組合である高知県後期高齢者医療広域連合のコストが高くなっている結果となった。
3.純資産変動の状況
一般会計等は、純行政コスト(13,419百万円)より財源(14,192百万円)が上回る結果となり、本年度差額は773百万円、本年度純資産変動額は44百万円の減少となり、昨年度から純資産の金額は減少となった。主な要因として純行政コスト及び財源の金額が昨年度から増加したものの、資産評価差額により純資産額が減少したことが考えられる。全体会計は、純行政コスト(19,175百万円)より財源(19,904百万円)が上回る結果となり、本年度差額は730百万円、本年度純資産変動額は82百万円の減少となった。連結会計は、純行政コスト(23,175百万円)より財源(23,957百万円)が上回る結果となり、本年度差額は782百万円、本年度純資産変動額は41百万円の減少となった。全体を通して令和2年度の純資産額は減少する結果となった。今後は、各会計においてコストの確認を行い、純資産の増加に努める。
4.資金収支の状況
一般会計等は、本年度資金収支額が97百万円の減少になっている。特に投資的経費では、「山荘しらさ」や「八田保育園」の改築工事により公共施設等整備費支出が多かったため、前年度と比較すると、一般会計等から連結会計のいずれでもマイナスの値が大きくなっている。今後は、公共施設等総合管理計画を参考にしながら、公共施設等の整備費について検討を行い、支出の減少に努める。連結会計の投資活動収支は、一般会計等や全体会計と同様にマイナスとなっており、連結対象の一部事務組合の中で仁淀川下流衛生事務組合や高知中央西部焼却事務組合は基金の積立により投資活動収支がマイナスになっている。全体を通して、財務活動収支はプラスとなっており、地方債の償還額よりも起債額の方が大きいことから、起債額や投資活動における支出をはじめ全体の収支の調整を行っていく必要がある。
1.資産の状況
住民一人当たりの資産額は、類似団体平均値を大きく上回る結果となり、歳入額対資産比率についても3.48%と類似団体平均値を上回る結果となった。有形固定資産の減価償却率は改善され、類似団体平均値を下回ったが、有形固定資産が占める資産額が多いと有形固定資産の老朽化に伴い大規模改修などの対応が今後必要になるため、保有資産の妥当性について定期的に検討する必要がある。
2.資産と負債の比率
純資産比率は類似団体平均値を下回る結果となったが、将来世代負担比率では類似団体平均値を上回っている。資産額については、「山荘しらさ」や「八田保育園」の改築工事、道路などのインフラ資産の改良工事などに伴い、有形固定資産は増加しているが、減価償却や起債も増加しているため、純資産比率は前年度より減少した。将来世代負担比率に関しては、上昇傾向にあるとともに、類似団体と比較して高くなっていることから、地方債の新規発行の縮減と計画的な償還を進めていくことで改善に努める。
3.行政コストの状況
住民一人当たりの行政コストは、類似団体平均値と比較し上回っており、前年度からも増加している。コストの中でも、補助金が最も高い値となっており、経常経費の36.1%を占めている。この主な要因は新型コロナウイルス対策における増加が考えられるが、支出先や金額について今後検討を行う必要がある。また、減価償却額では、建物(事業用資産)と工作物(インフラ資産)の減価償却額が多い。本町は、保有している資産が多いことから減価償却額が高くなることが考えられるため、公共施設等総合管理計画を参考にしながら、施設の統合なども含めて現存している償却資産量の適正化を検討する必要がある。
4.負債の状況
住民一人当たりの負債額は、類似団体平均値と比較し上回っており、前年度からも増加している。負債の増加要因としては、公共施設等を整備するため、主に一般単独事業債の発行が大きくなったことが考えられる。今後は計画的な地方債の償還に進めるとともに、投資的経費への充当を考慮し、コストの縮減を行うことで、基礎的財政収支の改善に努める。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は類似団体平均値と比較し上回っているが、昨年度からは減少している。新型コロナウイルス感染症の影響による減少も要因の一つと考えるが、アフターコロナにおいて経常収益を増加させるため、公共施設の利活用などを進めることで、使用料収入の増加に努める。また、個別施設計画をもとに計画的な施設管理を推進することで、施設に係る経常経費の削減にも努める。