公共下水道 大和高田市立病院 JR高田駅西側駐車場 簡易水道事業(法適用)
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人口の減少や高齢化の進展により、ここ数年の税収は伸び悩んでいたが、景気の緩やかな回復基調の影響もあり、地方税収入は若干ではあるが増加している。しかしながら財政力指数においては、0.47~0.49と横ばいの傾向が続いており、類似団体平均を下回っている。そのため地域手当等の職員手当や報酬の減額措置の継続による人件費の抑制及び地方税の徴収強化(5年間で徴収率2.5ポイントの向上)等の取組みによる歳入の確保により財政基盤の強化に努める。
令和元年度は前年度比で2.9億円の経常一般財源が増加し、比率は1.5ポイント改善している。増加した財源の大半が依存財源であり、本市の財政力が類似団体と比較して低いことによって、類似団体に比べ影響度が大きくなっている。しかしながら、歳出面において、近年の職員補充による人件費の増加及び事業に係る物件費の増加により、比率が上昇する要因があり、「大和高田市財政健全化プログラム(平成22~平成24)」に基づく普通建設事業費の縮減の効果により、公債費は当面減少傾向ではあるが、職員手当の減額による人件費の抑制の継続及び歳入確保の取組により比率の改善を図る。
平成27年度及び平成28年度は、類似団体平均とほぼ同水準の数値となっていたが、平成29年度は、中学校給食の開始による施設運営経費及び調理業務の委託経費による物件費の増加が影響し、数値が上昇している。また、職員数が年々増加していることによる、人件費の増加も数値が高くなっている要因と考えられる。公共施設の管理については、可能な部分において、指定管理者制度の導入等による委託化を進めているところであり、その他の業務についても外部委託によるコスト削減を図っており、今後も経費の抑制を図っていく方針である。
本市の行政職給料表は、7級までの給料表を適用していることが主な要因となり、平成25年度以降は、国との比較で2~4ポイント程度低い水準で推移している。類似団体と比較しても低い水準で推移していることについても、同様の要因である。
保育所、こども園、高等学校及びごみ処理施設等の施設運営を直営で行っていることにより、職員数が類似団体平均と比較して多くなる基礎的な要因があり、「大和高田市財政健全化プログラム(平成22~平成24)」に基づき、退職者の補充を最低限とすることを原則として定員管理に取り組んだ結果、平成25年度に類似団体平均とほぼ同程度の数値となった。平成27年度以降は、退職者等の補充や人口減少の影響もあり、類似団体平均を上回る数値となっている。公共施設の管理については、可能な部分において、指定管理者制度の導入等による委託化を進めているところであり、その他の業務についても外部委託を行うことにより、適正な定員管理に努める。
平成14年度以降に普通建設事業費の抑制を続けたことにより、元利償還金の減少傾向が続いており、比率は着実に改善している。平成18年度から平成26年度に発行した退職手当債が平成29年度以降に順次償還を終えているため、今後も当面は元利償還金の減少を見込んでいる。
平成14年度以降に普通建設事業費の抑制を続けたことによる地方債現在高の減少により、将来負担額の減少が続いていたが、令和元年度から新庁舎建設事業が本格的に始まったことにより、将来負担比率はやや増加となっている。今後も事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。
人件費に係る経常収支比率は、平成27年度以降において近年の職員補充(再任用含む。)による人件費の増加、令和元年度については、退職者減による人件費の減少により、0.4%改善した状況となっている。本市は、類似団体と比較して、ラスパイレス指数が低く、職員数(人口千人当たり職員数)が多いという状況であるが、保育所、こども園、高等学校及びごみ処理施設等の施設運営を直営で行っているなどの職員数が類似団体と比較して多くなる要因があり、行政サービスの提供方法の差異であると言える。公共施設の管理については、可能な部分については、指定管理者制度の導入等による委託化を進めているところであり、その他の業務についても外部委託を行うことにより、人件費の抑制に努める。
物件費に係る経常収支比率は、中学校給食の開始による施設運営経費及び調理業務の委託経費の増加による比率の上昇要因はあるものの、平成14年度から物件費のマイナスシーリング等、内部管理経費の見直しに努めたこと、また、し尿処理業務や消防業務等を一部事務組合で行っており、その業務に関係する物件費が補助費等に計上されていることなどの影響により、類似団体平均より低い比率で推移している。
扶助費に係る経常収支比率は、類似団体平均を少し下回る水準で推移している。令和元年度においては、障害者自立支援事業費などの増加により、0.8%上昇している。今後、更に高齢化の進展が想定されるため、比率への影響に関しては留意が必要な項目である。
平成20年度以降は、類似団体と比較してほぼ同水準で推移していたが、平成29年度から下水道事業の法適用企業への移行により繰出金が補助費等として計上され、比率が大きく下がる要因となった。それ以降は、高齢化の進展等の影響で社会保障関係の繰出金が増額したことにより比率が上昇している。
補助費等にかかる経常収支比率が類似団体平均を上回っている要因として、市立の病院事業に対する補助金及びし尿処理業務、消防業務等を一部事務組合で行っていることが挙げられる。また、平成29年度から下水道事業が公営企業法適用企業へ移行したため、下水道事業会計への繰出金が補助費等として計上されることとなり、比率が上昇する要因となっている。令和元年度は、下水道事業への繰出基準の見直しにより、比率が改善している。業務を一部事務組合で実施することは、広域化による業務の効率化及び経費の削減につながるものであり、比率の上昇については留意を要するが、広域化等の推進により経費の縮減に努めるものである。
令和元年度の比率の低下は、補助費等の減少の要因があるものの、歳入面(主に普通交付税の増加)の影響が多分にあるものと考えられる。今後も経費全般の節減により、数値の改善に努める。
(増減理由)平成30年度と比較すると、財政調整基金が450百万円増加する一方、その他特定目的基金が295百万円減少しており、基金全体では、164百万円の増となっている。財政調整基金増加の要因としては、決算上生じた剰余金のうち2分の1を下らない金額について、歳計剰余金処分の方法により基金に編入を行ったことによるものである。また、その他特定目的基金の減少は、庁舎整備基金を新庁舎建設事業に充当するため、310百万円取り崩したことによるものである。(今後の方針)庁舎整備基金については、令和3年度までの新庁舎建設事業に所要額を取り崩し、残額を他の基金へ積み立てる予定としており、事業の進捗と共に基金全体額は減少する見込みである。
(増減理由)地方財政法の規定により、決算上生じた剰余金のうち2分の1を下らない金額について、歳計剰余金処分の方法により財政調整基金に編入を行ったため、450百万円の増となっている。(今後の方針)今後の多様な財政需要に対応するため、収支に不足が生じた場合には、所要の額を取り崩すこととしている。
(増減理由)平成30年度に引き続き、令和元年度も、公債費の償還に充てるために受け入れた補助金を積み立てたため、残高が増加している。(今後の方針)新庁舎建設後の庁舎整備基金については、新庁舎建設事業の財源として発行した市債の償還に充てるため、残額の一部を減債基金へ積み立てる見込みである。
(基金の使途)庁舎整備基金:新庁舎建設事業に対して充当退職手当基金:市職員の退職手当に対して充当(増減理由)庁舎整備基金については、平成29年度から令和3年度までの新庁舎建設事業に充当するため、当該年度の所要額を取り崩すこととしており、令和元年度において、310百万円を取り崩しているため減少している。(今後の方針)庁舎整備基金については、令和3年度までの事業費に対し、所要額を取り崩して充当することとなっており、事業完了後に残額を他の基金(財政調整基金、減債基金、公共施設整備基金など)へ積み立てるため、基金を廃止する予定である。
全体の有形固定資産減価償却率は、全国平均と比べ1.8%、類似団体と比べては、3.7%高いため、今後とも公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化・縮小化等の老朽化対策に積極的に取り組んでいく必要がある。
債務償還比率は、前年度より46.6%低下しているが、依然として、類似団体平均・全国平均よりも高い水準となっている。主な要因は、類似団体と比較して人件費や公債費が高いことである。特に債務償還比率に影響力のある公債費については、地方債残高が年々減少傾向であったが、令和元年度から令和3年度の新庁舎建設事業にかかる地方債の発行により、地方債残高が増加していく見込みであるため、今後より一層の経常経費の抑制に取り組んでいく必要がある。
類似団体平均に比べ、有形固定資産減価償却率が3.7%高く、将来負担比率が21.6%高いことから、将来負担比率を勘案しつつ、有形固定資産の更新事業を進める必要があると考える。そのためには、単純に施設の更新事業を行うのではなく、施設ごとの個別施設計画の策定を進めながら、長寿命化や公共施設の適正規模も勘案した施設整備が必要である。
類似団体平均と同様に将来負担比率、実質公債費比率ともに良化傾向であったが、令和元年度の将来負担比率については、前年度より3.7%悪化した。これは、令和元年度から令和3年度までの新庁舎建設事業にかかる令和元年度分の地方債18.5億円を発行したことにより、地方債残高が大きく増加したことが主な要因と考えられる。令和2年度から令和3年度についても同様に新庁舎建設事業にかかる多額の地方債を発行するため、地方債残高は増加していく見込みである。また、これらの地方債の償還は令和5年度から始まるため、今後の実質公債費比率の上昇要因となると考えられる。実質公債費比率、将来負担比率ともに留意しつつ、今後の公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
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