経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、平成25、26年度は103%をキープしていました。平成27年度が97%に減少したのは原水及び浄水費の修繕費が増加したためです。平成29年度は100%に留まったのは、配水管耐震化工事で除却した資産減耗費が増加したためです。②累積欠損金はありません。③流動比率は、平成26年度に会計制度改正により減少していますが、全国類似団体を大きく上回る数値をキープしています。④企業債残高対給水収益は、有収水量の減少や建設改良費の財源として企業債を多く借り入れたためです。⑤料金回収率は、90%前後で推移していますが、平成28年度が高かったのは修繕費が増加したためです。平成29年度が低くなったのは資産減耗費が増加したためです。⑥給水原価は、類似団体と比較すると低くなっています。その要因は、水源に地下水を利用しており浄水費用が抑制されているためです。⑦施設利用率は、有収率と反比例しています。平成28年度が上昇した要因は、配水管布設替工事と配水区域拡大による洗管水量等が増加したことに加え、2月の寒波による宅内漏水が多発し漏水量が増加したためです。⑧有収率は、平成27年度をピークに減少傾向にあります。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、平成26年度の会計制度改正により償却対象外だった取得資産の財源の補助金等を償却対象にしたことにより上昇しました。改正後は類似団体平均値に近い数値となっています。②管路経年化率は、平成29年度に供用開始から40年が経過したため12.53%となりました。③配水管の更新は、配水管の耐震化を昨年度同程度実施しました。今後も漏水の多い区域や古い管路、水圧の高いエリアの耐震管化を計画的に実施します。漏水を発見し修理するだけでなく、耐震管への更新を計画的に進めることにより漏水の復元期を伸ばすよう効率的な布設替えを実施し有収率の向上を目指します。
全体総括
水道の行政サービスは、常に安全でおいしい飲料水を豊富、低廉に供給し、健康福祉の増進と住民生活の安定に寄与することを目的とする地方公営企業です。美浜町の水道は、自然環境が豊かで豊富な地下水を水源としているため、安全でおいしい水道水を低廉に供給できていると考えます。しかし、人口減少や節水器具の普及によって有収水量及び稼働率は減少しています。これからは、余剰水を有効に販売するための対策として、隣接する簡易水道施設等の統合により、給水区域の拡大を実施し、稼働率を向上させ、経営基盤を強化するとともに、水道技術の向上による水道施設の維持管理の徹底により費用を削減し、水道事業の目的達成のために安定経営を目指します。