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地方交付税改革や税源移譲による市税収入の伸び等により平成17年度から普通交付税不交付団体となり、平成21年度以降、景気状況の悪化による税収減により単年度ベースの財政力指数が減少しており、平成23年度は3年間平均で1を下回った。事務事業の徹底した見直しによる歳出削減や市税の収納率向上対策等により財政基盤の強化に努める。
分子である経常経費充当一般財源等は生活保護世帯の増加等による扶助費の増、事業会計への繰出金が増となり、前年度に比べ4.5億円の増となった。一方、分母である経常一般財源等歳入合計は臨時財政対策債、地方交付税の増により、前年度に比べ6.5億円の増となった。分母が分子を上回る増となった結果、経常収支比率は93.4、前年度に比べ-1.0ポイント減となった。今後とも市税の徴収強化等による収入確保とともに、積極的な財源確保、事務事業の効率化や組織の適正化により、人件費や物件費等経常的歳出の削減に努める。
人件費、物件費等決算額の人口千人当たりの金額が類似団体平均を上回っているのは、主に人件費が要因となっている。これは、土地区画整理事業や下水道事業、ごみ収集業務等を直営で運営していることが主な要因である。今後も引き続き、組織の適正化を図るとともに、事務事業の効率化及び計画的な職員削減を進める。
現状では、全国市平均を3.2ポイント、類似団体平均を4.4ポイント上回っている。平成23年度は国の給与削減より前年度に比べ8.8ポイントの増となっている。今後においても引き続き、人事院勧告に基づき、国公に準拠することを基本として、ラスパイレス指数100未満を当面の目標とする。
退職者不補充や民間委託により、第1期集中改革プラン(平成18年度~21年度)は目標30名を超える31名の職員を削減した。23年度は第2期集中改革プラン(平成22年度~24年度)の目標とおり5名の職員を削減した。今後も引き続き、民間委託や再任用職員の知識・経験の活用などにより、行政サービスの水準を低下させることなく、事務事業の効率を進め、業務量に見合った職員配置した上で、職員の削減を進める。
単年度の実質公債比率について、平成20年度以前は10ポイント前後で推移していたが、平成20年度に債務負担行為設定をした土地開発公社の用地取得事業の支出が発生したことにより、実質公債比率が大きく増加した。平成23年度は、土地開発公社等からの用地の買取りなどにより、単年度の比率が増加したことから、3年間の平均値が1.1ポイント上昇し、類似団体平均を上回っている。今後も引き続き、元利償還金等の推移を的確に推計し、適正な起債水準の維持に努める。
将来負担比率は、教育整備公社の債務の繰上げを返済を行ったことにより、組合負担等見込み額が減少、また下水道特別会計の起債残高の減少したことなどにより将来負担額が減となり、5.4ポイントの減となっているものの類似団体平均を上回っている。今後も引き続き、中・長期的な展望に基づいた計画的な事業展開を図り、起債に大きく依存しない健全な財政運営に努める。
人件費に係る経常収支比率は類似団体平均に比べ高止まりしている要因としては、土地区画整理事業や下水道事業、ごみ収集業務等を直営で運営していることや給与水準(ラスパイレス指数)が類似団体平均を上回っていることが挙げられる。今後も引き続き、第2期集中改革プランに基づき、業務の民間委託や再任用職員の知識・経験の活用などによる効率的な運営に努め人件費の抑制を図る。また、平成23年度の人件費については、前年度と比べ1.7億円、3.1%の増となっている。これは、定年退職者増加に伴う職員平均年齢の低下などにより職員給は減となったものの、退職手当が増となったことなどによるものである。
物件費に係る経常収支比率は類似団体平均とほぼ同値で推移している。物件費のうち委託料が約6割を占めている。今後、民間委託化を進めていく中で、人件費から委託料へのシフトが起こることが予想されるため、行政サービスの水準を低下させることなく、最適な手法により民間活力の積極的な活用を図る。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回り、かつ上昇傾向にある要因として、生活保護費の額が膨らんでいることなどが挙げられる。就労支援プログラムを活用し、就労支援員、ハローワークと連携し、受給者の就職による社会的自立を進めることで、財政を圧迫する上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。また、平成23年度の扶助費については、前年度と比べ3.8億円、7.1%増となっている。これは、生活保護費の1.5億円の増に加え、児童福祉関係の扶助費の1.6億円の増が主な要因である。
その他に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、繰出金の増加が要因である。特に下水道施設の維持管理経費として、下水道事業会計への繰出金が必要となっている。また、介護保険及び国民健康保険事業会計の財政状態の悪化に伴い、赤字補?的な繰出金が多額になっていることも要因として挙げられる。今後、下水道事業については経費を節減するとともに、独立採算の原則に立ち返った料金の値上げの検討、介護保険及び国民健康保険事業会計についても保険料の適正化などにより、税収を主な財源とする普通会計の負担額を減らしていくよう努める。
補助費等に係る経常収支比率は10%前後で推移しており、類似団体平均を下回っている。補助費等のうち市の出資する一部事務組合(清掃施設組合)への負担金が約5割を占めている。今後、し尿処理施設や焼却施設の建替えが予定されており、負担金の増が見込まれるため、工事コストの縮減と世代間負担の平準化を図るため構成市で協議を行っていく。
公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を下回っており、平成20年度をピークに今後減少していく見込みとなっている。これは、昭和50年代後半からの義務教育施設等の整備に要した地方債の償還が終了してきたことや将来の財政負担を考慮して地方債の発行を抑制していることが主な要因である。今後も引き続き、元利償還金の推移を的確に推計し、プライマリーバランスの黒字を維持していく。
公債費以外に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、人件費、物件費及び繰出金の増加が要因である。人件費については、第2期集中改革プランに基づき、業務の民間委託や再任用職員の知識・経験の活用などによる効率的な運営に努め抑制を図る。
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