経営の健全性・効率性について
①②⑤から、経常収支比率は100%以上を保持し、類似団体平均を20ポイント上回っている。料金回収率も直近5年間100%以上を確保し、給水費用は水道料金によって賄われている。累積欠損金も発生していないことから、飯豊町水道事業は健全な経営状態にあると考える。③④から、流動比率は平成25年から大きく減少しているが100%を超え、理想とされる200%も超えていることから、短期債務に対する支払い能力は十分担保されている。企業債残高対給水収益比率については、近年実施した大型投資もあって上昇している。据置期間が終了し本格的な償還が始まると平成30年には500%まで更に上昇するが、過去分の企業債償還の終期となる平成41年を迎えると平成25年の水準以下まで戻る。順次老朽化する施設更新のため多額の資金が必要となるが、企業債残高に留意しつつより効果的な事業推進を図り、経営の健全性の維持に努めていく。⑥⑦⑧から、施設利用率は上昇しているにも関わらず有収率は類似団体平均を大きく下回る。この事は事業収益を低下させる要因であるから、最重要取組として有収率向上対策に注力していく。
老朽化の状況について
飯豊町の水道施設は、昭和42年に各地区の簡易水道を統合し現在の上水道に至っており、中津川地区については、簡易水道が昭和39年及び昭和46年に創設され現在に至っている。途中、普及率の増加に伴い給水人口が増え、第一次から第四次拡張事業を経て、特に第三次拡張事業では地下水源の導入、第四次拡張事業では、萩生水源を導入するなど数々の水道施設整備を実施してきた。このような中で、飯豊町では、法定耐用年数を経過した管路を全国平均値や類似団体平均値よりもはるかに多く保有している状況にあり、浄水及び配水施設などの主要な基幹施設においても経年劣化が進んでいく。新規整備した取水施設を中心に、既存施設の更新、耐震化について長期的視点に立ち実施していかなければならない。
全体総括
全体から、財務の安全性については引き続き良好な状態を維持していると考える。しかし、施設の老朽化には十分な対応ができていない。この老朽化対策には多額の資金が必要となる。人口減少社会に突入し、現在保有する施設を今後どのように維持管理していくか、しっかりとした見通しの下、効率的な実施に努めていかなければならない。利用者満足度と公営企業として安定経営をしっかりと果たしていかなければならない。