経営の健全性・効率性について
「経常収支比率」については、100%を超え黒字となっており、平成26年度の会計基準の見直しにより、経常利益が増加しております。これは、長期前受金戻入が収益の4割を占めているため、また近年給水収益が伸びているためです。「料金回収率」においても100%を超えていることから、現時点では経営の健全化が保たれています。「流動比率」については、会計基準の見直しにより平成26年度から減少していますが、支払能力には問題ありません。「企業債残高対給水収益比率」については、当企業団は県から譲り受けた施設で事業を運営しており、拡張時の借入れがないため、他事業体と比べ低くなっています。今後も施設の更新等の財源に企業債が考えられますので、上昇傾向が予想され注意が必要です。「給水原価」については、会計基準の見直しにより「長期前受金戻入」を控除して算出することになり、類似団体と比べると低い現状にあります。「施設利用率」については、近年横ばいの状態で平均を上回っており、適正な規模と考えられます。「有収率」については、類似団体と比べると高くなっています。漏水調査の成果もあって、近年は高い状況が続いています。今後も漏水調査を継続的に行い、更なる有収率の向上に努めます。
老朽化の状況について
「有形固定資産減価償却率」については、増加傾向にあり、年々施設の老朽化が進んでいます。「管路経年化率」については、管路の経過年数が耐用年数に達していないため、0%となっております。最初に布設した管路が昭和57年度に施工されており、あと5年で耐用年数を迎えます。「管路更新率」は他事業体と比べ低くなっています。近年は、道路改良に伴う管路布設替工事が主となっています。今後は、アセットマネジメントの活用を図り、将来老朽化を迎える管路を計画的に更新し、特に基幹管路の更新を優先していきます。
全体総括
当企業団の水道事業は、現時点では良好と判断されますが、将来は給水人口等の減少による給水収益の減少、企業債元利償還額の増加が懸念されます。今後は、更なる経費節減に努め、更新工事の財源を確保し、施設の長寿命化対策及びアセットマネジメントの活用を図り、経営戦略を策定し計画的に事業を運営する必要があります。経営戦略については、平成32年度に策定します。