経営の健全性・効率性について
H28の「①経常収支比率」は109.28%と黒字ではありますが、H26より徐々に低下しており、給水収益の減によるものと推定されます。また「⑤料金回収率」は100%を超えた数値で推移しており、給水に係る費用が給水収益で賄われていますが、こちらもH27より徐々に低下しています。このことから現在のところ適切な料金設定と健全な経営が行われていると言えますが、今後の給水収益の減、老朽化する施設・管路更新費用の増が想定されるため、更なる費用削減と将来的な料金設定計画を検討する必要があります。②「累積欠損金比率」は0%となっていますが、徐々に収益が減り、更新費用が増えることが想定されるため、今後の推移に注意が必要です。③「流動比率」は100%を大きく上回っており、現在の支払い能力については問題はありません。④「企業債残高対給水収益比率」は類似団体平均よりも低く、H23の起債以降新たな借り入れは行っていません。今後の収支バランスの推移によっては起債計画を検討することになります。⑥「給水原価」は類似団体平均値より低く、良好な数値となっています。適切な数値が保てるよう財源の確保、施設・管路の更新計画が必要です。⑧「有収率」は約70%のまま推移しており、類似団体平均値よりもかなり低くなっています。原因の一つは漏水であると考えられるため、更なる漏水対策の強化が必要です。
老朽化の状況について
③「管路更新率」はH27と比べH28はやや高くなりましたが、②「管路経年化率」は徐々に高くなっており、類似団体平均値よりも高い状況にあります。管路の更新については漏水が多い箇所を中心に地区毎に行っていますが、加えて老朽箇所を考慮した管路更新が必要です。そのため更新工事の財源確保・更新計画を検討していく必要があります。
全体総括
①「有形固定資産減価償却率」②「管路経年化率」③「管路更新率」から施設管路の老朽化の進行と、更新の遅れが読み取れます。①「経常収支比率」は100%を超えた数値で推移しており、黒字ですが給水人口の減、更新費用の増により状況が変わるものと想定されます。このことから長期的な財源の確保・更新工事計画について検討する必要があります。経営戦略については平成30年度までに策定の予定です。