経営の健全性・効率性について
経常収支比率については過去5年右肩上がりであったものが、121,87%と微減となった。今後は、一層の収益減少が想定されるため、費用の抑制について更なる取り組みが必要となる。累積欠損金は発生していないものの、他団体の平均値が悪化していることから、損失を発生させない営業と投資について強く意識しなければならない。流動比率は、514.47%と、全国平均を上回っており、短期的な債務支払い能力を有しています。企業債残高対給水収益比率も全国平均より良好で、これまでの建設改良を実施する際にも債務を抑えたことによる成果が表れています。料金回収率は126.63と高い水準を維持しています。給水原価125.34と全国平均と比べ低く、費用を抑制している成果が表れています。施設利用率は全国平均を上回るものの、明らかに配水量の減少化が進んでいる。この利用率を上げるための取り組みを行えば、経常収支比率の悪化や累積欠損金の発生等が危惧される。有収率は、全国平均より良い数値を得ているが、その率は下降している。しかしながら、施設使用率も下降傾向にあり配水量が不足する不安もなく、更には自然流入配水により給水原価が安い給水区域も含まれていることから、長期的に対応としたい。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は全国平均を超えているように老朽施設の更新時期が迫っています。しかしながら、現在、給水区域拡張に向けた大規模建設改良を行っており、資金の枯渇も危惧されることから、施設の更新については、更に縮小延伸の予定です。管路経年化率については、全国平均を大きく下回ることが出来ましたが、これはマッピングシステム導入により管路台帳の精査が行われたものであり、更新による改善ではありません。また、当団体の管路は比較的新しいものであることも確認されました。管路更新が行えていないのは、上述の理由です。
全体総括
これまで、料金値上げや経費削減に取り組みながら利益を生み出し、各種積立を行ってきたものの、その資金が資産の新規取得に投資されることから、老朽管路の更新については延伸又は縮小せざるを得ません。老朽化対策の資金調達についても、経常収支比率、料金回収率が良好なことから、料金値上げで行うことは理解されにくい環境であり、対策の遅れに苦慮している状態です。そのような状況の中でも、著しく損傷している管路の更新や老朽機器の更新を優先して実施しておりますので、全体の老朽化対策としては段階的に実施されていると考えています。