経営の健全性・効率性について
経常収支比率については過去5年100%を下回ることはなく、安定した経営状態だと言えますが、今後原水の汚濁対策、給水区域の拡張に伴う建設改良事業が計画されていますので、その財源確保には予断を許さない状態です。累積欠損金は発生していません。流動比率は、463.96%と全国平均並みの状態ですが5年分の債務支払い能力を有しています。企業債残高対給水収益比率は他の団体より低く、これまでの建設事業、債務を抑えた取り組みの効果が表れています。今後は企業債を借入れての建設改良事業を予定していますので、比率の変化を注視しておく必要があります。料金回収率は125.38と高い水準を維持しています。給水原価124.93と類似団体、全国平均と比べ低く、費用を抑制している成果です。施設利用率は全国平均を上回るが、夏季及び寒気と安定期の配水量差が大きいため、最大能力内での運用を強いられることもしばしば起こっている。今後、給水人口の減少が見込まれるので、よりこの数値は下がることが見込まれます。有収率は、天候に大きく左右されるが定期的な漏水調査を施し、有収率の向上に取り組んでいます。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は全国平均を超えているように老朽施設の更新時期が迫っています。現在は、建設改良を行うための留保資金の確保及び各施設のスケールダウン等、事業規模の見合った更新を行う方針です。管路経年化率については、全国平均を大きく上回っていますが、全面的な更新については資金の調達及びその維持について苦慮しているところです。管路更新率は、低いながらも優先順位をつけながら毎年取り組んでいるところです。平成29年度にアセットマネジメントを策定しますので、具体的な更新計画が示されます。
全体総括
今後、給水人口や給水量の減少で、給水収益の向上は見込めない中で、更新等の投資が増加するため、事業経営が厳しくなることが予測されます。それらに対応するために経営努力を続けるとともに、平成29年度に経営戦略及びアセットマネジメントを策定しますので、計画に沿った持続性のある事業経営を目指します。