経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、給水人口減等に伴い前年度を下回ったが、全国及び類似団体平均は上回っている状況であり、公営企業会計制度の見直しにより、H26年度から収支の改善が示されている。③流動比率は、全国及び類似団体平均を大きく上回っていることから健全と思われる。④企業債残高対給水収益比率は、H20年度から耐震化も含めた老朽管布設替工事を行ってきたことに対する起債借入によるもので、全国及び類似団体平均を下回ってきている。これは、収支のバランスを考慮しながら過度な企業債の発行を控え企業債残高を抑制したことで、比率の改善を図ったものである。⑤料金回収率は106.23%となっており、全国及び類似団体平均を上回っている。経営に必要な経費を料金で賄えている状況である。⑥給水原価は、全国及び類似団体平均を下回っている。これは、浄水場が無い等水道施設に大幅な経費がかからないことが要因である。⑦施設利用率は、全国及び類似団体平均より高くなっている。前年度とほぼ同じで、H29に簡易水道の統合に伴う認可変更で計画給水量が減少したことにより最大給水量が下がったためで、無駄なく、効率的に活用出来ている。⑧有収率は、全国及び類似団体平均をやや下回っている。これは、供給の開始以来50年が経過しようとする施設の老朽化が進んでいるためである。H20年度から耐震化も含めた老朽管布設替工事を進めているが、近年、有収率はほぼ横ばいである。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、全国及び類似団体平均をH26年度から下回っている。配水管布設替工事に伴い施設の更新が進んできたことによるものである。②管路経年化率は、全国及び類似団体平均をH26年度から下回っている。H20年度から耐震化も含めた老朽管布設替工事を進めており、その成果と思われる。③管路更新率は、全国及び類似団体平均を上回っている。H28年度は、熊本地震により老朽管布設替工事を行っていないためである。
全体総括
平成30年度における小国町水道事業の経営の健全性及び効率性について、一部の指数を除き全国及び類似団体平均を上回っており、概ね良好の状態と判断している。しかしながら、有収率は全国及び類似団体平均と比較的差があるように、有収率向上に向けた取組が必要である。施設の老朽化に伴う改修や、給水人口の減少に伴う収益の改善が今後重要となってくる。経費の削減はもちろん、将来にわたって経営分析を行い、経営改善に努めなければならない。近々に経営戦略を作成し、今後もこれまで以上に詳細な経営健全化に努め、安全安心な水道水の供給を目指すものである。