経営の健全性・効率性について
①の経常収支比率は、給水収益や一般会計からの繰入金等の収益で、維持管理費や支払利息等の費用をどの程度賄えているかを表す指標であり、単年度の収支が黒字であることを示す100%以上となっていることが必要です。当町は平成27年度は、100%を上回っており、平成27年度全国平均(113.56)は下回っていますが、類似団体の平均値(111.21%)を上回っています。②の累積欠損金比率は、事業体の経営状況が健全な状態にあるかどうかを、累積欠損金の有無により把握しようとするもので、営業収益に対する累積欠損金の割合を表す指標です。当町は平成27年度は、0%であり、平成27年度全国平均(0.87)や類似団体の平均値(1.93%)を下回っています。③の流動比率は、短期的な債務に対する支払い能力を表す指標であり、100%以上であることが必要であり、100%を下回っていれば不良債務が発生していることになります。当町は27年度は、602.73%であり、平成27年度全国平均(262.74%)や類似団体の平均値(391.54%)を大幅に上回っています。④の企業債残高対給水収益比率は、給水収益に対する企業債残高の割合であり、企業債残高の規模を表す指標で明確な基準はないと考えられています。当町は27年度は、580.70%であり、平成27年度全国平均(276.38%)や類似団体の平均値(386.97%)を上回っています。⑤の料金回収率は給水に係る費用が、どの程度給水収益で賄えているかを表した指標であり、料金水準等を評価することが可能です。当町は平成27年度は、108.97%であり、平均(104.99%)や類似団体の平均値(101.72%)を上回っています。⑥の給水原価は有収水量1㎥あたりについて、どれだけの費用がかかっているかを表す指標です。当町は平成27年度は、118.52円であり、平成27年度全国平均(163.72円)や類似団体の平均値(168.20円)を下回っています。⑦の施設利用率は、一日配水能力に対する一日平均配水量の割合であり、施設の利用状況や適正規模を判断する指標です。当該指標については、一般的には高い数値であることが望まれます。当町は平成27年度は、54.14%であり、平成27年度全国平均(59.76%)や類似団体の平均値(54.77%)を下回っています。⑧の有収率は施設の稼働が収益につながっているかを判断する指標です。当該指標は、100%に近ければ近いほど施設の稼働状況が収益に反映されていると言えます。当町は平成27年度は、87.14%であり、平成27年度全国平均(89.95%)を下回っていますが、類似団体の平均値(82.89%)は上回っています。
老朽化の状況について
①の有形固定資産減価償却率は、有形固定資産のうち償却資産の原価償却がどの程度進んでいるかを表す指標で、資産の老朽度合を示しています。一般的に、数値が100%に近いほど、保有資産が法定耐用年数に近づいていることを示しており、将来の施設の更新等の必要性を推測することができます。当町は平成27年度は51.43%で、全国平均(47.18%)や類似団体平均値(47.46%)を上回っています。②の管路経年化率は、法定耐用年数を超えた管路延長の割合を表す指標で、管路の老朽度合を示しています。一般的に、数値が高い場合は、法定耐用年数を経過した管路を多く保有しており、管路の更新等の必要性を推測することができます。③の管路更新率は、当該年度に更新した管路延長の割合を表す指標で、管路の更新ペースや状況を把握できます。
全体総括
年々、給水人口の減少や給水収益に繋がる有収水量が減少している状況であり、今後も続くものと思われます。今後も安定した水道水の供給を図るため、施設の更新を計画的に実施するとともに、有収率の向上や経費削減等による事業の経営健全化に努めていく必要があります。