宇多津町：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

平成２９年度決算では、経常収支比率・料金回収率について100％を超えており、特に料金回収率については過去５年間高い水準を継続している。給水原価についても全国平均や類似団体と比較すると下回り、これまでの間において非常に安定しており当町水道事業の経営は健全かつ効率よく運営できているものと考える。また、企業債残高対給水収益比率は全国平均、類似団体と比べてみれば非常に低く、残高も順調に減少していることから、現時点においては事業経営に大きな影響はないと考える。施設利用率においては全国平均値を下回っているが、平成１２年の認可申請時の人口、給水量ともに大幅に増加傾向にあったため、計画施設能力が実績施設能力に比べ、大きい予測となっているためである。経営の健全性・効率性という点では、本町の現状は良好な経営がなされていると分析できる。平成３０年度から県下で水道事業が統合され広域水道企業団として新たに事業実施となるが、今後施設の統廃合も視野に入れ更に経営の健全性・効率性を高めるためにも、現状の料金回収率や給水原価を適切に維持し、有収率向上を図るため日常的な町内巡視を強化するなど漏水の早期発見にも取り組んでいかなければならない。

老朽化の状況について

老朽管対策については全国の水道事業者にとって最大の問題である。特に基幹管路の老朽化に伴う大規模な漏水事故は、今日あらゆる場所で頻繁に発生しているが本町においても例外ではない。このようななかではあるが、幸いなことに本町は行政区域内面積が狭いうえ管路総延長も短いこともあり、これまで計画どおり順調に老朽管布設替工事が進捗してきた。前々年度において単独事業のみで一時的に類似団体平均値を下回った管路更新率もその後は非常に高い状況にある。平成２９年度においても、本町の状況は全国平均、類似団体と比較すれば経年化率はかなり低い。当町水道事業は平成２９年度をもって廃止となり、平成３０年度から県内で統一した企業団として水道事業を行うが、この現状を維持していくためにも、これまで同様計画的な老朽管対策工事に鋭意取り組んでいく必要がある。

全体総括

これまで単独経営で事業を実施してきた最終の年である本町の水道事業は、現時点において経営面・老朽化対策の両面から分析しても、あらゆる面においても全国平均を上回るなど、過去５ヵ年の間非常に安定している。特に、全国的な課題のひとつである老朽管対策についても、経年化率・更新率からも明確であるように本町が更新工事に最重点をおいて鋭意取り組んできた成果が現れている。また、昨今国内において危惧されている大規模な地震災害等に対応するためにも、今後、施設等への被害の軽減はもとより安定的な供給を図っていくために、早急な耐震対策に取り組んでいく必要がある。宇多津町水道事業としては平成２９年度をもって廃止となったが、平成３０年度から新たに広域水道企業団として水道事業を行うに当たり、企業団としての経営戦略に基づいて引き続き健全経営に向け事業を行っていく。