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本市の平成28年度の基準財政収入額は、市町村民税所得割の増加や地方消費税交付金をはじめとする各種交付金の増加により、基準財政収入額算定上前年度より増加している。しかしながら、基準財政需要額では、新市まちづくり事業で借り入れた多額の市債の償還が本格化してきていることもあり、公債費分が増えてきていることや臨時財政対策債発行可能額の減少により財政力指数は減少傾向にある。本市としては類似団体内での財政力指数は下位となっていることもあり、定住促進対策や企業誘致活動による雇用の確保に努め、人口減少に歯止めを掛けるよう努める。
本市の平成28年度の経常収支比率は100.3%となり、初めて100%を超え財政構造の硬直化が一層進んでいる。この要因として、平成27年度に策定した橋本市財政健全化計画に基づく人件費や物件費の削減などにより歳出経常一般財源の削減を図ったものの、歳入において普通交付税や各種交付金が減少、臨時財政対策債発行可能額の減少などにより、経常一般財源が大きく減少したことにより経常収支比率が悪化した。公債費のピークとなる平成29年度までは良化は厳しく、現状並みで推移すると見込んでいる。本市としては、類似団体と比較しても最低レベルにあることから、橋本市財政健全化計画の実行による歳出削減に取り組み、経常収支比率の良化に努め財政のスリム化を図る。
本市は平成27年度に策定した橋本市財政健全化計画の実行による人件費の削減、定員適正化計画に基づく退職者の8割採用及び公設民営の認定こども園化を推進することで職員数の削減を図っていることから、人件費は年々減少している。一方、物件費については民間委託への転換により委託料が増加しているものの、橋本市財政健全化計画に基づく物件費の削減により、人口1人当たりの人件費・物件費等決算額は、大きく減少した。しかしながら、これらの経費は類似団体と比較しても、依然として高額であることから、今後も定員適正化の継続するとともに、橋本市財政健全化計画により物件費等ランニングコストの縮減や継続事業の見直しを図り経常経費の縮減に努める。
本市のラスパイレス指数は昨年より0.1ポイントの減少となり、全国市平均より2.7ポイント下回った。0.1ポイントの減少については、人事院勧告に伴う給料表の改正を平成28年度中に行わなかったことで、0.2ポイント減少し、給料の減額を行うことでラスパイレス指数を引き下げている高齢層職員の退職と給料の減額を行っていない若年層職員の採用により0.1ポイント増加したことが要因となっている。全国市平均より2.7ポイント下回っているのは、財政健全化の一環として平成28年度より本市独自の給与減額(高齢層職員が多い5,6,7級において給料減額)を行なっていることが大きな要因となっており、今後も民間の給与水準を基に出されている人事院勧告や、和歌山県、県内他市及び近隣市町の給与制度の動向を注視し、適正な給料水準を保つように努めるが、給与減額を引続き行なっていくため、当分の間、全国市平均を下回る指数となることが見込まれる。
平成23年度に策定した橋本市定員適正化計画では、退職者の8割以内採用を基準とした採用抑制を図ったほか、事業に応じた職員の補充、退職勧奨、普通退職を加味しながら年度毎の平準化を図り、組織機構・事務事業・職員配置の見直し、民間委託の推進などにより定員の適正化を推進し、平成28年4月1日現在で普通会計における職員数は505人となり、計画策定時の平成23年度(557人)と比較すると52人削減となっている。今後も住民サービスを低下させることなく、更なる事務の効率化の推進を図り、より適切な定員管理に努める。
本市の実質公債比率は平成24年度からの5か年でみると横ばいの状況である。この要因として、病院事業債等の大きな償還がピークを過ぎて減少していることや普通交付税の増加があるものの、合併による新市まちづくり計画により実施した大型公共事業で借入れた市債の元金償還が本格化してピークとなる平成29年度まで公債費が増加していくことから、当面は当該比率も良化が見込めない状況にある。類似団体と比較すると依然として高い数値となっているが、新市まちづくり計画による大型公共事業は概ね完了していることもあり、公債費のピークが過ぎる平成30年度以降は良化していく見込みである。
本市の将来負担比率は、平成23年度から減少傾向にある。この要因としては、平成24年度に土地開発公社の負債を精算し解散したことや平成26年度まで大型公共事業が集中したこともあり地方債残高が増加したものの、平成27年度をピークに減少してきており、下水道事業及び病院事業にかかる地方債の償還も進んだことで、借入残高が減少していることとなどにより減少が進んでいる。しかしながら、依然として類似団体及び県下自治体と比較しても最低レベルである。今後の見通しとしては、新市まちづくり計画に伴う大型公共事業が概ね完了しており、地方債残高が減少していく見込みであり、さらに良化していく見込みである。
人件費は、定員適正化計画及び公設民営の認定こども園化の推進により職員数の削減を継続して実施していることもあり、年々減少している。平成28年度においては、平成27年度に策定した橋本市財政健全化計画に基づき人件費を削減したこともあり、類似団体と比較して若干低い水準となっている。しかしながら、職員の役職や年齢層の偏在もあることから、今後も定員適正化計画を継続して職員数の減少を図るとともに、事務の効率化や業務体制の見直し等による時間外手当の削減に努める。
物件費は年々増加傾向にある。この要因として、検診等の保健衛生にかかる委託料が増加していることや認定こども園化に伴う指定管理料の増加などの影響で年々増加している。平成28年度においては、橋本市財政健全化計画に基づき物件費を削減したこともあり若干の減少となっている。今後は、類似団体と比較して若干低い水準にあるものの、増加傾向にあるため、引き続き橋本市財政健全化計画により物件費等ランニングコストの縮減や継続事業の見直しを図り物件費の抑制に努める。
扶助費は、近年は増加傾向にあるものの、類似団体や県下の団体と比較しても低い水準にある。この要因は、児童数の減少により児童手当が減少傾向にあること、そして生活扶助給付費の増加が低く収まっていることと推察する。しかしながら、平成27年度から中学生医療費の無償化を開始したことや障がい者自立支援給付費など社会福祉にかかる給付費は年々増加しており、全体的に増加していく見込みである。
その他の経費で大半を占める繰出金は、国民健康保険事業や後期高齢者医療事業など社会保障にかかる繰出金が年々増加しているため増加傾向にある。類似団体より数値が高いのは、下水道事業への基準外繰出金が多いことが要因とみており、今後はさらに社会保障にかかる繰出金が増えていくことは十分に予見できるため、下水道事業については計画地域の見直しなど事業の縮小による繰出金の減少を視野に入れ、繰出金全体で増加の抑制に努める。
補助費は、平成24年度からの5か年でみると横ばいの状況となっている。類似団体平均より高い数値となっているのは、病院建設と広域ごみ処理施設の建設が比較的新しいため、その借入にかかる地方債の償還がまだまだ残っており、その補助額が大きいことが要因とみている。引き続き橋本市財政健全化計画により各種補助金の在り方を見直し、補助費の縮減を図る。
公債費は、合併による新市まちづくり計画に沿って実施した大型公共事業にかかる市債の借入の償還額が年々増加していること、そして第三セクター改革推進債の借入に伴う償還に加えて、臨時財政対策債の発行額の増加などが重なり、年々増加している。類似団体と比較しても高い数値となっており、当面はこうした元金償還額が増えていくため公債費も増加していくが、新市まちづくり計画にかかる事業は概ね完了しており、今後は市債の借入も減少していくため、公債費は平成29年度をピークに減少していく見込みである。
公債費以外の経費は、増加の傾向にある。これは、人件費は減少しているものの、物件費や繰出金が増加していることが影響している。しかしながら、橋本市財政健全化計画に基づく人件費や物件費の削減により、類似団体より若干数値が下回った。引き続き定員適正化等による人件費の削減と橋本市財政健全化計画による継続事業の見直しなど経常経費の縮減に努め財政のスリム化を図る。
将来負担比率及び実質公債費比率共に類似団体内平均値を上回っている。これは、平成18年3月の合併以降、新市まちづくり計画により実施してきた大型公共事業による市債や土地開発公社解散に伴う第三セクター等改革推進債等の借入により公債費や市債残高が増加したことが原因と考えている。将来負担比率については、新市まちづくり計画に伴う大型公共事業が概ね完了し、平成27年度をピークに地方債残高が減少していく見込みであり、さらに良化していく見込みである。実質公債費比率については、ピークとなる平成29年度まで公債費が増加していくことから、当面は当該比率も良化が見込めない状況にあるが、新市まちづくり計画による大型公共事業は概ね完了していることもあり、ピークが過ぎる平成30年度以降は良化していく見込みである。
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