公共下水道 大和高田市立病院 JR高田駅西側駐車場 簡易水道事業(法適用)
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人口の減少や高齢化の進展により伸び悩んでいた地方税収入は、景気の緩やかな回復基調の影響もあり、令和元年度まで若干の増加傾向にあった。しかしながら、令和2年度については新型コロナウイルス禍における企業業績の落ち込み等により減少している。財政力指数は、0.48~0.49と横ばいの傾向が続いており、類似団体平均を下回っている。そのため、地域手当等の職員手当や報酬の減額措置の継続による人件費の抑制及び地方税の徴収強化(5年間で徴収率2.5ポイントの向上)等の取組みによる歳入の確保により、財政基盤の強化に努める。
令和2年度は扶助費で国庫負担金等の申請誤りによる比率の上昇要因があったため、前年度に比べて2.3ポイント悪化している。当該上昇要因を除いた場合の比率は、経常一般財源が前年度比で3.2億円増加したことにより、類似団体同様、やや改善していたと考えられる。歳出面では、近年の職員補充による人件費の増加等により比率が上昇する要因があり、「大和高田市財政健全化プログラム(平成22~平成24)」に基づく普通建設事業費の縮減の効果により、公債費は当面減少傾向ではあるが、職員手当の減額による人件費の抑制の継続及び歳入確保の取組により比率の改善を図る。
平成28年度は類似団体平均とほぼ同水準の数値となっていたが、平成29年度からは中学校給食の開始による施設運営経費及び調理業務の委託経費による物件費の増加が影響し、数値が上昇している。また、令和2年度は会計年度任用制度の導入により、類似団体同様、大幅な人件費の増加となっており、数値急増の要因と考えられる。公共施設の管理については、可能な部分において、指定管理者制度の導入等による委託化を進めているところであり、その他の業務についても外部委託によるコスト削減を図っており、今後も経費の抑制を図っていく方針である。
本市の行政職給料表は、7級までの給料表を適用していることが主な要因となり、平成25年度以降は、国との比較で2~4ポイント程度低い水準で推移している。類似団体と比較しても低い水準で推移していることについても、同様の要因である。
保育所、こども園、高等学校及びごみ処理施設等の施設運営を直営で行っていることにより、職員数が類似団体平均と比較して多くなる基礎的な要因があり、「大和高田市財政健全化プログラム(平成22~平成24)」に基づき、退職者の補充を最低限とすることを原則として定員管理に取り組んだ結果、平成25年度に類似団体平均とほぼ同程度の数値となった。平成28年度以降は、退職者等の補充や人口減少の影響もあり、類似団体平均を上回る数値となっている。公共施設の管理については、可能な部分において、指定管理者制度の導入等による委託化を進めているところであり、その他の業務についても外部委託を行うことにより、適正な定員管理に努める。
平成14年度以降に普通建設事業費の抑制を続けたことにより、元利償還金の減少傾向が続いており、比率は改善している。また、平成18年度から平成26年度に発行した退職手当債が平成29年度以降に順次償還を終えているため、当面は元利償還金の減少を見込んでいる。
平成14年度以降に普通建設事業費の抑制を続けたことによる地方債現在高の減少により、将来負担額は減少傾向にあったが、令和元年度は新庁舎建設事業が本格的に始まったことにより将来負担比率がやや増加している。令和2年度から当面は減少するものの、今後、大規模な普通建設事業にかかる起債を予定していることから、将来負担比率は増加していくと考えられる。事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。
人件費に係る経常収支比率は、平成27年度以降において職員補充(再任用含む。)による人件費の増加により、類似団体平均を上回る状況となっている。とりわけ令和2年度は会計年度任用制度の導入や退職者増による人件費の増加により3.8ポイントの急増となっている。本市は、類似団体と比較して、ラスパイレス指数が低く、職員数(人口千人当たり職員数)が多いという状況であるが、保育所、こども園、高等学校及びごみ処理施設等の施設運営を直営で行っているなどの職員数が類似団体と比較して多くなる要因があり、行政サービスの提供方法の差異であると言える。公共施設の管理については、可能な部分については、指定管理者制度の導入等による委託化を進めているところであり、その他の業務についても外部委託を行うことにより、人件費の抑制に努める。
物件費に係る経常収支比率は、中学校給食の開始による施設運営経費及び調理業務の委託経費の増加による比率の上昇要因はあるものの、平成14年度から物件費のマイナスシーリング等、内部管理経費の見直しに努めたこと、また、し尿処理業務や消防業務等を一部事務組合で行っており、その業務に関係する物件費が補助費等に計上されていることなどの影響により、類似団体平均より低い比率で推移している。また、令和2年度については、会計年度任用制度の導入に伴い、非常勤職員にかかる費用が物件費から人件費となったことで2.1ポイント減少している。
扶助費に係る経常収支比率は、令和元年度までは類似団体平均を少し下回る水準で推移していた。しかしながら、令和2年度においては、障害者自立支援給付費等負担金に係る国庫負担金及び県負担金の交付申請で、本来申請すべき額よりも過少に申請する事務誤りがあった影響で、類似団体を上回る結果となっている。今後、更に高齢化の進展が想定されるため、比率への影響に関しては留意が必要な項目である。
平成20年度以降は、類似団体と比較してほぼ同水準で推移していたが、平成29年度から下水道事業の法適用企業への移行により繰出金が補助費等として計上され、比率が大きく下がる要因となった。それ以降は、高齢化の進展等の影響で後期高齢者医療保険関係の繰出金が増額したことにより比率が上昇している。
補助費等にかかる経常収支比率が類似団体平均を上回っている要因として、市立の病院事業に対する補助金及びし尿処理業務、消防業務等を一部事務組合で行っていることが挙げられる。また、平成29年度から下水道事業が公営企業法適用企業へ移行したため、下水道事業会計への繰出金が補助費等として計上されることとなり、比率が上昇する要因となっている。令和元年度からは、下水道事業への繰出基準の見直しにより、比率が改善している。業務を一部事務組合で実施することは、広域化による業務の効率化及び経費の削減につながるものであり、比率の上昇については留意を要するが、広域化等の推進により経費の縮減に努めるものである。
平成18年度から平成26年度に発行した退職手当債について、平成29年度以降に順次償還が終わるため、類似団体平均とほぼ同水準で推移している。しかしながら、令和元年度から令和3年度の新庁舎建設事業にかかる起債をはじめとし、今後もごみ中継施設の建設やリサイクル施設の建設等、大規模な普通建設事業にかかる起債を予定しており、公債費の償還が続々と開始されることから、令和7年度頃には比率が上昇していくと見込んでいる。
(増減理由)令和元年度と比較すると、財政調整基金が約440百万円増加する一方、その他特定目的基金が約417百万円減少しており、基金全体では、約38百万円の増となっている。財政調整基金増加の主な要因としては、決算上生じた剰余金のうち2分の1を下らない金額について、歳計剰余金処分の方法により基金に編入を行ったことによるものである。また、その他特定目的基金の減少は、前年同様、庁舎整備基金を新庁舎建設事業に充当するため609百万円取り崩したことによるものである。(今後の方針)財政運営の安定化を図るため、引き続き計画的に基金の積み立てを行うとともに、必要に応じて基金の活用を検討していく。
(増減理由)令和2年度の基金残高は、約1,717百万円となっており、前年度から約440百万円の増加となっている。葛城広域行政事務組合の解散に伴う葛城ふるさと市町村圏基金の出資金返還金を180百万円積み立てたこと、また、地方財政法の規定により、決算上生じた剰余金のうち2分の1を下らない金額について、歳計剰余金処分の方法により財政調整基金に260百万円編入したことが要因である。(今後の方針)経済状況の変化による収入の減少、災害の発生に伴う支出の増加などに対応し、継続して安定的な財政運営ができるよう基金の確保に努めるとともに、今後の多様な財政需要に対応するため、収支に不足が生じた場合には、所要の額を取り崩すこととしている。
(増減理由)令和2年度の基金残高は、約31百万円となっており、前年度から約15百万円の増加となっている。公債費の償還に充てるために受け入れた補助金(奈良県公立小中学校空調設備設置緊急支援事業補助金)を積み立てたことが要因である。(今後の方針)新庁舎建設後の庁舎整備基金については、新庁舎建設事業の財源として発行した市債の償還に充てるため、残額の一部を減債基金へ積み立てる見込みである。将来にわたる財政の健全な運営を行うため、市債の償還に必要な財源を確保するとともに、公債費が他の経費を圧迫するような場合には、取り崩してその財源に充てることとしている。
(基金の使途)庁舎整備基金:新庁舎建設事業に対して充当ふるさと大和高田応援基金:多様な人々が参加する地方自治を推進するため、市政の新たな展開や充実を図るための施策に要する費用へ充当退職手当基金:市職員の退職手当に対して充当公共施設整備基金:公共施設の整備等に要する財源の一部に充当交通遺児就学援助等基金:交通遺児を見舞い、その就学を援助する事業の財源及び交通安全対策事業の推進に要する財源に充当(増減理由)庁舎整備基金については、平成29年度から令和3年度までの新庁舎建設事業に充当するため、当該年度の所要額を取り崩すこととしており、令和2年度において、609百万円を取り崩しているため減少している。ふるさと大和高田応援基金については、寄付金額の増加により積み立てが取り崩しを上回ったため約187百万円の増となっている。(今後の方針)庁舎整備基金については、事業の進捗と共に基金残高が減少し、事業完了後に残額を他の基金(減債基金)へ積み立て、当該基金は廃止する予定である。
全体の有形固定資産減価償却率は、全国平均と比べ4.7%、類似団体と比べ4%高いため、今後とも公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化・縮小化等の老朽化対策に積極的に取り組んでいく必要がある。
債務償還比率は、前年度より125.6%悪化しており、類似団体平均・全国平均よりも高い水準となっている。主な要因は、類似団体と比較して人件費や公債費が高いことである。特に債務償還比率に影響力のある公債費については、地方債残高が年々減少傾向であったが、令和元年度から令和3年度の新庁舎建設事業にかかる地方債の発行をはじめ、今後も、老朽化した施設の更新等による地方債残高の増加が見込まれるため、より一層の経常経費の抑制に取り組んでいく必要がある。
類似団体平均に比べ、有形固定資産減価償却率が4.0%高く、将来負担比率が15.1%高いことから、将来負担比率を勘案しつつ、有形固定資産の更新事業を進める必要があると考える。そのためには、単純に施設の更新事業を行うのではなく、施設ごとの個別施設計画の策定を進めながら、長寿命化や公共施設の適正規模も勘案した施設整備が必要である。
類似団体平均と同様に将来負担比率、実質公債費比率ともに良化傾向であったが、令和元年度の将来負担比率は、新庁舎建設事業の令和元年度分の地方債発行により地方債残高が大きく増加したことが主な要因で悪化している。令和2年度については財政調整基金等の充当可能財源の増加が主な要因となり前年度より8.2%良化したものの、令和3年度にかけて新庁舎建設事業にかかる多額の地方債を発行しており、地方債残高は増加しているため比率への影響には留意が必要である。また、これらの地方債の償還は令和5年度から始まるため、今後の実質公債費比率の上昇要因となると考えられる。実質公債費比率、将来負担比率ともに留意しつつ、今後の公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
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