経営の健全性・効率性について
経常費用を経常収益で賄えているが、料金回収率が低く、給水収益以外の収入割合が高い。累積欠損金はなく概ね健全な運営ができているが、流動比率が減少傾向であるため、資金の増加に努め、支払能力を確保する必要がある。なお、平成26年度に会計基準の見直しがあったため、流動比率は平成25年度以前の値とは大きく変動している。給水収益に対する企業債残高は、類似団体並みまで減少してきたが、今後、浄水場の更新を実施するため増加する見込みである。給水原価が高い理由として、主に減価償却費、受水費が高いためである。減価償却費については、本町は面積が広く起伏のある地形であるため、加圧施設、減圧施設など多くの施設が必要なためである。受水費については、基本料金162.97円/m3、使用料金26.70円/m3であり、受水量を減らしても受水費の削減が難しいためである。施設利用率は高く、適正規模の施設である。また、漏水調査及び早急な修繕を実施しているため、近年は有収率が上昇し、配水した水が給水収益に結びついている。
老朽化の状況について
法定耐用年数を超えた管路が多い。有収率は、平均より高いものの、管路の経年化が進行しているため、計画的な更新を実施する必要がある。
全体総括
水道料金は、県内事業体と比較すると高料金となっている。給水収益は、人口減少に伴い減少し、給水量についても同様となっている。費用は、経費削減に取り組んでいるものの、削減が難しい減価償却費、受水費等の費用が大きく、大幅な額の削減は厳しい状況となっており、ほぼ横ばいである。このような中、財源を確保し、水道施設の更新を実施していかなければならない。給水収益の増加対策等、運営体系のあり方や、企業債残高、将来の給水量を見込んだ適正規模の施設を勘案し、中長期的な投資、財政計画に基づき運営していく必要がある。また、広域化を図ることにより、施設の更新費用、委託費等の削減が期待できるため、水道事業統合に向けて、積極的に検討する。