経営の健全性・効率性について
当町は町内居住者数が以前の1割程度まで減少していることから、有収水量が少なく使用料収益は低いレベルにある。また、使用料減免措置を終了して1年と期間が短く、収益に関してはここ数年のデータ蓄積が無い状況。これらのことから、経営の健全性・効率性評価の指標となる各値は低いレベルにあり、健全度は低い。町内への帰還や移住の増加・事業再開等により、有収水量は緩やかに増加傾向にあるので、これを維持しつつ、処理区統合や施設維持管理業務共同発注等の施策により、維持管理コストを縮減し経営の健全性・効率性を向上させる必要がある。
老朽化の状況について
上手岡地区は処理の効率化を図るため広域化を進める。令和8年度からの公共下水道への接続を予定している。小良ヶ浜地区は地形的に広域化が難しいので将来にわたり単独処理となる。東日本大震災からの復旧で比較的各施設・設備の経過年数は小さいものが占めているが、震災後約10ヶ年を経過しているので、今後は計画的に施設・設備の更新を行って行く。現時点では、処理施設の機械・電気設備に大きな不具合等がみられないことから、将来においても法令に基づく点検・調査など維持管理に努め、施設・設備の長寿命化を図り、更新費用の低減と平準化を図る予定である。
全体総括
人口減少やこれに伴う使用料収入減に対応できる安定した経営基盤の確立を目指し、他事業との共同処理や、近隣の自治体と施設の広域的な管理体制や汚泥処理の共同化を実現するなど、経営の効率化を図っていく。上手岡地区は処理の効率化を図るため、令和8年度に農業集落排水施設の上手岡地区を公共下水道の富岡処理区に接続する予定であり、接続までの期間の終末処理場は適正な維持管理を行いながら汚水処理を進める。なお、上手岡地区の管路施設や事業会計については、農業集落排水事業を維持しつつ運営していく予定である。