経営の健全性・効率性について
経営については①~④のグラフより経営収支が黒字で、債務残高も平均より低いことなどからも現在は健全であるといえる。今後の経営状況については、不況や人口減少等に伴う水需要の減少により給水収益が悪化することが確実であり、長期的な資金確保に向けた対策を検討していきます。今年度策定した水道ビジョンにより老朽管や施設等の改修・更新時期を明記している。しかしその財源となる借入利息と減価償却費により経営が圧迫される可能性があり、事前数年間の支出の抑制を行い、積立等の剰余金を蓄えて計画を推進する必要があります。また、事業費の1/4を占める給与費については、現在は必要最低限の職員数であり、規定によりある程度の経験年数も必要とされることから極端な削減は期待できない状況である。なお、⑧有収率については平均より0.3%ほど下がっているが、H29中より6%上昇していることから漏水箇所の調査・修繕により8割に近づきつつある。このことから今後⑥給水原価もさらに下がると予想されます。
老朽化の状況について
管路経年化が平均より40%進んでいるため、H31に基幹の配水管更新、R5に大谷地浄水場の全面更新、R8~R9養蚕取水場からの導水管の一部管路変更などを計画している。今後給水収益の長期的な低減が見込まれるため効率的な経営努力を重ね、施設整備計画を推進する必要があります。また、③管路更新率については例年下水道工事に合わせて行うよう計画しているものが多く、恒常的に行えなかった。なお、H30では配水池に接続した配水本管の漏水が数回発生したため、H31に更新を計画している。
全体総括
今年度策定した水道ビジョンにより、現時点での財政計画の見通しは2028年まで毎年20,000千円程度の純利益が見込まれるとともに、資本的収支の不足額は内部留保資金で補てん可能と予測しています。施設の大規模更新のためには新規に企業債の借入を行う必要がありますが、今後人口減少等の理由により給水収益が減少すれば企業債の償還もあり、厳しい運営状況になることが見込まれます。このため、事前の数年間は支出の抑制を行い、積立等の剰余金を蓄え「持続可能な経営」を推進していきます。