経営の健全性・効率性について
「経常収支比率」については、100%を超え黒字となっており、平成26年度の会計基準の見直しにより、経常利益が増加しています。これは、長期前受金戻入が収益の約4割を占めているためです。「料金回収率」においても100%超えていることから、現時点では経営の健全性が保たれています。「流動比率」については、会計基準の見直しにより平成26年度から減少していますが、支払能力には問題ありません。「企業債残高対給水収益比率」については、当企業団は県から譲受けた施設で事業を運営しており、拡張時の借入れがないため、他事業体と比べ低くなっています。今年度は、浄水設備(一部)更新工事により借入れを行ったため、昨年度に比べ68ポイント上昇しています。今後も、施設の更新等の財源に企業債が考えられますので、上昇傾向に注意が必要です。「給水原価」については、会計基準の見直しにより「長期前受金戻入」を控除して算出することになり、全国平均及び類似団体と比べると低い現状にあります。「施設利用率」については、平均を上回っており適正な規模と考えられます。「有収率」については、類似団体と比べると高くなっています。漏水調査の成果もあって昨年度より上昇しています。今後も漏水調査を行い有収率の向上に努めます。
老朽化の状況について
「有形固定資産減価償却費率」については、増加傾向にあり、年々老朽化が進んでいますが、まだ管路の耐用年数が経過していないため「管路経年化率」は0%です。そのため、「管路更新率」は他事業体と比べ低くなっています。現在は、道路改良に伴う管路布設替工事が主です。今後は、アセットマネジメントを活用し、将来老朽化を迎える管路を計画的に更新し、耐震化を図っていく必要があります。
全体総括
当企業団の水道事業は、現時点では良好と判断されますが、給水人口等の減少により給水収益の減少が懸念されます。今後は、更なる経費削減に努め、更新工事の財源を確保し、施設の長寿命化対策及びアセットマネジメントの活用を図り、経営戦略を策定し計画的に事業を運営する必要があります。経営戦略については平成31年度までに策定の予定です。