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基準財政需要額が前年度比で4.5%増となったが、社会保障関係経費の充当財源となる地方消費税交付金が前年度比で66.8%と大幅に増えたことから基準財政収入額が7.9%伸び、単年度の財政力指数が前年度に対し0.1伸び0.42となったことから、前年度に対し、0.01伸びた。しかしながら、県平均を0.06上回ってはいるが、町内に大型事業所が少なく依然として財政基盤が弱いため、類似団体平均と比較すると0.25と下回っている。社会保障関係費の経費増を含め財政需要額は今後も増加傾向が見込まれることから、徴収業務の強化推進に取り組み、自主財源の十分な確保を図り財政基盤の強化に努める。
経常収支比率は、類似団体に比べ1.4ポイント下回っており、前年度比で1.7ポイント減となり弾力性が強まる結果となった。これは前年度に対し、分子の経常経費充当一般財源が、物件費及び扶助費で193,936千円の増となり209,192千円(4.4%増)の増となったが、分母の経常一般財源において、地方税が38,845千円、地方消費税交付金が192,469千円及び普通交付税が60,729千円の増により293,278千円(5.4%増)の増となったことによる。今後も社会保障関係経費の増が予想され、本町独自施策について、長期的視点に立った事業効果の適宜評価を行うとともに、各種公共施設等について、公共施設等総合管理計画に基づく実行計画の早期策定など、将来コスト削減に向けた取り組みが急務である。
今年度は、類似団体の平均額とほぼ同額となった。人件費、物件費及び維持補修費について165,799千円の増となり、人口一人当たりの決算額は前年度比6.1%の増となった。人件費については、27年人事院勧告に基づく給与改定措置により職員給が前年度比3.8%増となった。また、各種情報システムに係る経費として改修及び保守等の委託料や使用料及び賃借料が増えていることから物件費が増額となった。町民からの多様な行政需要が増え、権限委譲や制度改正により業務量が増える中、委託業務などの物件費の増加等が見込まれるが、業務の効率化を図り、サービスの質の低下を招かない工夫が今後益々必要になる。
適正な給与水準の維持に努めており、27年人事院勧告に基づく給与改定措置により昨年度に対し1.7増加したが、類似団体平均と比べても1.2低い数値となっている。なお、24年度は23年度から実施されている国家公務員の時限的な(2年間)給与改定特例法により100を超える数値となっている。引き続き類似団体平均数値を上回らないよう、適正な給与制度の運用を検討する。
定員適正化計画に基づき新規採用職員については、25年度まで退職者一部不補充等を実施していたことから、常に低い数値となっている。今年度は前年度に比べ人口千人あたり0.1人増となったが、類似団体平均と比べても0.43人少なく、宮崎県市町村平均と比較しても1.7人少ない結果となっている。本町の人口は、微増ではあるものの増加傾向にあることから、住民へのサービスの低下を招かないよう今後も適正な人員管理に努める。
実質公債比率は、昨年度から1.0ポイントの減となり、類似団体平均を2.3ポイント上回る結果となった。これは、27年度単年度比率は1.5%となったが、25、26年度における公債費に準ずる債務負担行為額の影響により単年度比率の2ヵ年平均で約13.0%となっていることから9.1%の比率となった。また、公債費については、近年借り入れた大型事業に伴う地方債の元金償還が始まることから、今後増額していくことが見込まれている。建設事業実施の際は、事業内容の検証を十分に行うとともに、補助金の確保や基金造成などにより地方債発行額の抑制に務め、地方債発行の際は、交付税措置のある地方債により基準財政需要額への算入を確実に行い、実質公債比率の抑制に積極的に取組む必要がある。
類似団体平均を大きく下回り、マイナス計上(-16.8%)となった前年度からさらに7.9%減少し今年度についてもマイナス計上(-24.7%)となった。これは、基準財政需要額算入見込額が0.7%減となったものの、充当可能基金及び特定歳入が増となり分母で1.1%の増となり、分子で地方債現在高が8,722百万円増え1.1%の増となったものの退職手当負担見込額が15.6%の減となり、分子で2.8%の減となったためである。今後、施設老朽化による公営住宅建替事業等といった大型事業の実施を予定していることから、基金積立金の増額や将来コストを見据えたうえでの普通建設事業等の実施を計画的に行う必要がある。
人件費については、0.3ポイント減となったが、類似団体との比較において0.8ポイント低い水準となっており、全国及び県との比較においても平均を下回る結果となっている。減となった主な要因は、27年人事院勧告に基づく給与改定措置により職員給が前年度比3.8%増となり、経常経費充当一般財源についても3.9%増となったが、町税等の経常一般財源収入が全体で5.4%増えたことから結果的に減となった。これまで職員適正化計画等に基づき特殊勤務手当の見直しや一般職の職員採用抑制等を積極的に行ってきたが、今後も、適正な人事管理及び人件費の抑制に努め、行政サービスの低下を招かない工夫が必要となる。
物件費のうち経常的経費については、予算3%カットによる経費節減や合理化抑制に努めたが、昨年度に比べ0.6ポイントの増となった。これは、各種情報システム更新等に伴う保守委託料や使用料及び賃借料が増えていることが支出増額の主な要因となっている。経常的な物件費の支出については、これまで以上に職員一人ひとりのコスト意識を高める必要がある。また、施設の老朽化に伴う修繕が今後益々増えることが見込まれ、中長期的な計画に基づく効率的かつ適正な経費執行に努めていくことが必要となる。
25年度から引き続き類似団体内で最下位となった。この高い数値を示す大きな要因となっているのは、扶助費全体の6割以上を占める児童福祉費にある。これは、当町が人口に占める若年層の割合が高く、乳幼児医療費の無料化や保育所運営費等に対する町単独経費など少子化対策事業を重点施策として取り組んでいるためである。また、社会福祉費についても、サービス利用者が年々増加し支出額が増加傾向にある。今後社会保障関係経費の増が予想されることから、長期的な見通しを踏まえた事業効果内容の適宜評価見直しを行う必要がある。
昨年度から0.8ポイント減少し、類似団体平均値を0.3ポイント上回り、前年度に引き続き全国・県平均ともに上回る結果となった。21年度まで減少傾向にあったが、23年度以降、維持補修費及び繰出金が増加傾向にあり、維持補修費については対前年度比で22.3%増となったが、繰出金については0.5%減となった。国保会計等における給付費等抑制に向けた取組みや、公共下水道会計おける使用料等の適正かつ確実な徴収などにより、経常収支比率の改善が見られる結果となった。維持補修費については、今後各施設の老朽化が進み経費の増が見込まれることから、統廃合を含めた実行計画の早期策定が急務である。
補助費等については、前年度に対し1.3ポイントの減となり、類似団体平均においても4.2ポイント下回る結果となった。本町では、町単独補助金については、審議会等によって適正な補助額の交付決定に努めているが、今後都城クリーンセンター管理費負担金などの清掃関連費に加え、社会保障関係費に係る負担金など同級他団体等への補助費等の増が見込まれることから、これからも引き続き補助費等の検証及び適正な執行に努めていく必要がある。
公債費については、27年度0.7ポイント減となり、類似団体平均値を3.6ポイント下回る結果となった。これは、公債費に対する充当可能特定歳入である公営住宅使用料が8.8%増となったことから、経常経費充当一般財源が減となったためである。なお、公債費については、27年度を底に今後、国の補正予算等に関連して実施した大規模建設事業の元金償還が始まることや、25~26年度の大規模事業実施に伴う地方債発行額の増により、地方債残高が昨年度比で1.1%増えており、充当可能財源の確保とともに地方債発行額の抑制を図り、将来負担の抑制に努める必要がある。
公債費以外の経費については、前年度比で1.0ポイント減少し、類似団体平均値を2.2ポイント上回る結果となった。これは、全ての経費について経常経費の抑制に努めた結果、比率の改善が見られたが、扶助費が、類似団体との比較において突出し経常充当一般財源を圧迫している状況にある。今後さらに扶助費の増大が予想されることから、扶助費以外の経費についても、これまで同様、経費削減及び抑制の取り組みを継続し、扶助費については世代間及び年度間における平準化を念頭に事業精査を行い、適正かつ効率的な行政サービスの提供と、計画的な財政運営をすすめる必要がある。
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