収益等の状況について
地域に定着した施設であり一定程度の利用料金収入はあるものの、施設の規模や老朽化に伴い施設の維持のために人件費等多くの経費を要している状況となっている。立地特性から大きな集客力の増加は見込めず、支出部分における人件費の割合も高いことから、指定管理者に対する管理料の支出も平均値よりも低率ではあるものの固定化している。今後、収支の改善を図るためには運営面・施設面で抜本的な見直しを図る必要がある。
資産等の状況について
建築から50年を経過し、現状の施設を維持するためには多額の設備投資が不可欠な状況である。運営における人件費の割合も高く、老朽化した現状の施設を管理するために多額の経費が必要となっており、その経費負担が類似施設と比べても収益性が低いという状況につながっているものと考えられる。今後、施設の適正化や機能性の向上を踏まえ、経営戦略を策定する中で設備投資額を見込んでいく必要がある。
利用の状況について
瀬戸内沿岸部の高原型リゾートとしての特色を持ち、年間を通じて一定規模の利用者を確保し定員稼働率も平均値よりも高率で推移している。利用者は高い年齢層が中心であり、県内利用が4分の3をしめる。地域の利用が中心の状況となっていることから、利用の推移をみても年度間の増減は少ない反面、利用者の大幅な増加は望めず、今後も横ばいで推移していくものと推測される。
全体総括
地域における唯一の高原型リゾートエリアである野呂山の観光諸施設の中核的な施設である。建設から50年が経過しているものの、一年を通じて一定の利用者がある一方で、運営に伴う人件費等の経費負担の面や、その立地条件から大幅な利用者の増加が見込めないこと等から、一般会計からの繰入金も固定化している。今後、維持していくためには運営方法や施設の規模・形態等において抜本的な見直しを図り、費用の削減や収益性を高める等の経営改善をすることが必要である。