事業・施設概要
| 都道府県 | 長野県 | 経営主体 | 松川町 |
|---|---|---|---|
| 事業名 | 観光施設事業 | 業種名 | 休養宿泊施設 |
| 施設名 | 信州まつかわ温泉清流苑 | 会計適用区分 | 法適用 |
| 類似団体区分 | A2B2 | 建物延面積 | 3,495m² |
| 宿泊定員数 | 105人 | 予約者数計 | 19,428人 |
| 延休憩利用者数 | 135,052人 | ネット経由予約者数 | 3,358人 |
| トイレ洋式化率 | 9.8% |
注:施設・業務量は当該年度値。e-Stat原表との値照合が完了した項目を優先した。
収益等の状況について
令和6年度決算における各種経営指標について、経営の健全性を示す経常収支比率は92.3%となり、健全経営の水準とされる100%を下回っています。また、他の経営指標についても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大以前の水準まで施設利用者が回復していないことから、部分的に前年度からの改善は見られるものの依然として、厳しい状況にあります。今後におきましても、健全な経営に向け、改修した施設を最大限に活用し、旅行者のニーズに即した宿泊プランの提供など施設利用者の拡大を図るとともに、お客様が安全・安心に利用できるよう施設運営に努めてまいります。
資産等の状況について
当事業の累積欠損金は年々増加しています。主な要因は、宿泊利用の減少による収益の縮小に加え、施設の老朽化に伴う維持管理費や光熱水費が高水準で推移している点にあります。また、令和5・6年度に大規模改修工事を実施しましたが、工事請負費は資本的支出として4条予算で処理されており、損益に直接計上されるものではありません。しかし、工事期間中の営業制約や付随的修繕費等により、当年度収益や費用に一定の影響が生じ、累積欠損金の増加に間接的に寄与しています。今後の対応としては、改修後の施設価値を最大限に活かし、宿泊・日帰りの双方で利用者増を図ることが最優先となります。具体的には、(1)宿泊プランの再構築やプロモーション強化による稼働率向上、(2)食事や温浴など館内利用の単価向上、(3)エネルギー管理・設備更新を通じた光熱水費の削減、(4)修繕の平準化と計画的実施によるコスト抑制を進める。また、料金設定の適正化や需要動向に応じたサービス内容の見直しを行い、固定費を賄える収益構造への転換を図っていきます。これらの取組を中長期的に進めることで、累積欠損金の段階的な縮減を目指し、事業の健全性と持続的な経営基盤の確立を図っていきます。
利用の状況について
当施設は宿泊機能と温浴機能を併せ持ち、宿泊利用と日帰り利用の双方により運営されている。宿泊利用は観光動向の影響を受けやすい一方、日帰り入浴や食事利用については地域住民を中心に一定の利用が確保されている。現在は、日帰り利用が利用全体の中心となっており、宿泊と日帰りのバランスの面で改善の余地がある。今後は、宿泊需要の掘り起こしと日帰り利用の安定確保を両立させ、施設稼働率の向上を図っていく。また、清流苑単独以外にも隣接する室内温水プール、屋内スポーツ施設、フォレストアドベンチャー等を含め、複合的な利用の促進を図ってまいります。
全体総括
本施設を取り巻く経営環境は、近年大きく変化しており、安定的な事業運営の確保に向けて総合的な対応が求められています。(ア)急速な人口減少に伴うサービス需要の減少地域全体で人口減少が進む中、宿泊・日帰り利用の潜在的な需要は年々縮小傾向にあります。特に平日利用や団体利用は減少が顕著であり、これが収入の伸び悩みにつながっています。今後は、リニューアルした客室の運用を中心に複数世代にまたがる新規顧客層の獲得に注力し、需要減少の影響を緩和する取り組みが必要です。(イ)施設の老朽化に伴う更新需要の増大施設は建築後一定の年数が経過し老朽化が進んでおり、令和5、6年度には大規模改修工事を実施するなど、維持管理コストが増加傾向にあります。更新需要は今後も継続して生じるため、計画的な修繕計画の策定と、平準化を意識した財政運営が不可欠となっています。(ウ)公営企業に携わる人材確保の困難観光業界全体で人手不足が深刻化する中、本施設においても安定した人材確保が課題となっています。採用競争の激化により、必要なサービスレベルを維持するための人材確保が難しくなっており、結果として既存職員の負担増につながりやすい状況にあります。働き方改革や賃金制度の見直し等を通じた定着促進が重要です。(エ)職員給与費の増加や物価高騰に伴う営業費用の増加近年の物価高騰により、光熱水費・食材費・各種消耗品費が大幅に上昇しており、利益を圧迫しています。また、最低賃金の上昇に伴い、給与費も上昇傾向にあるため、全体として営業費用は増加しています。収益改善策と併せて、費用の適正化・効率化がより強く求められる状況にあります。今後は、これらの外部環境変化を踏まえつつ、利用促進による収益向上、施設管理の効率化、人材確保・育成策の強化、そして適正な費用管理の徹底を進め、持続可能な経営体制の構築を図る必要があります。