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人口減少が続くなか、個人所得や法人税の増収が見込めない上、離島という地理的条件から大企業も無く、税収構造は非常に脆弱である。そのため財政力指数は類似団体を大きく下回り0.19で推移している。観光・農林水産業振興のほか、新たな産業創出も視野に入れ税収基盤の強化を図るとともに行財政改革の確実な実施により財政の健全化を図っていく。
普通交付税合併算定替えの優遇措置が逓減し、歳入における経常一般財源が年々減少する中、地方債の新規発行抑制等の成果で類似団体内平均値と同程度の水準を維持している。令和元年度においても、公債費が対前年295百万円減額(-11.3%)となったものの、臨時財政対策債を合わせた実質的な普通交付税が354百万減ったことでことで0.8ポイント悪化した。令和2年度からは完全に一本算定に移行するが、行財政改革への取組みを通じて義務的経費の削減に努め、現在の水準を維持していく。
離島という地域特性から他自治体との社会福祉施設・環境衛生施設等の広域連携が難しく、各施設の運営コストが高くなっている。また、集落が点在しているため交通機関の維持やスクールバスの運行、ごみ収集等の行政コストがに全般的に割高になっている。令和元年度はシステム更新や各種施設の管理委託料が前年度と比べ69百万円(3.7%)伸びたことにより人口1人当たり人件費・物件費等決算額が増加した。物価高騰や働き方改革のほか、雇用確保の難しさなどの影響で、業務委託費が年々増加する状況があり、指標の改善は難しい状況にある。
平成16年の町村合併以降、平成21年度までは給与カットを実施していたため類似団体と比較し低い水準にあった。人員削減が計画通りに進んだこともあり、平成22年より段階的に給与カットを緩和したため、それ以降は類似団体と比較して高い水準で推移していたが、平成28年度に給与制度の総合的見直しを実施したことにより数値は大きく減少傾向にあり、類似団体との差は縮まってきている。
ごみ・し尿処理、給食センター等部分的に民間委託等の推進を図ってきたものの、離島という地理的条件の特殊性や人口減少が続いていることもあり類似団体と比較すると高い数値となっている。今後、事務事業の見直しや事務効率化、民間委託等をさらに進めつつ職員数の適正化を図っていく。なお、当該数値は地方公務員給与実態調査の前年度数値を引用したものである。
地方債の新規発行抑制等による効果で実質公債費比率は年々改善傾向にあり、令和元年度も0.8ポイント改善しているが、単年度で見ると平成29が9.3ポイント、平成30が9.2ポイント、令和1が9.1ポイントと下げ止まりの傾向が見られる。今後は大規模事業実施による新規地方債発行額の増大に伴い比率が上昇に転じることが見込まれるが、事業計画と財政健全化のバランスを考えながら緊急度・住民ニーズを的確に把握した事業の選択により起債に大きく頼ることのない持続可能な財政運営を目指す。
令和元年度は、庁舎整備事業(1,888百万円)、ジオパーク中核拠点施設整備事業(331百万円)などの大規模事業の着手により地方債の発行額が公債費償還元金を大きく上回ったため、比率が17ポイント悪化した。当面は大規模事業が計画されており、比率の上昇が見込まれるが、事業計画の見直しと健全な財政運営に配慮した歳出抑制のバランスを取りながら、財政運営を推進する。
平成30年度と比較すると、0.6%比率は増えているが、人件費そのものはほぼ横ばいであり、分母となる普通交付税の減額がその要因となっている。今後、行政サービスの民間委託等も検討し、人件費の抑制を図っていく。
類似団体と比較すると支出比率は低くなっているが、住民1人当たりのコストでは平均値より高い。令和元年度はシステム更新や各種施設の管理委託料が前年度と比べ伸びたことによりが増加した。物価高騰や働き方改革のほか、雇用確保の難しさなどの影響で、業務委託費が年々増加する状況があり、指標の改善は難しい状況にある。
社会福祉費(高齢者・障がい者・生活保護等)における扶助費は増加傾向にある。高齢化が進み、高齢化率も高い地域であることから経費削減は難しく、他の経費において節減を図る必要がある。
令和元年度は補助費等の経常一般財源884百万円うち約6割の554百万円を隠岐広域連合への負担金が占めている。広域連合に対し歳出の抑制をお願いしているが、離島同士が共同運営する事業であるため、広域での事業展開による経費節減のメリットが出にくい。各町村の負担割合の見直しがない限り、今後も大幅な比率改善は難しい。そのほかの補助金については、基準に照らし合わせながら補助金の見直しや廃止も視野に適正な交付を行っていく。
町村合併以降、地方債の新規発行を抑制してきたことにより公債費数値も着実に改善しつつあるが、必要な公共事業の実施の財源として依存することとなるため、交付税措置率の高い有利な地方債を中心に発行を行っていく。
公債費以外の項目では類似団体内平均値と比較し大幅に低い水準となっているが、これは当町が事業実施の際、地方債に依存することが多かったためその償還に係る一般財源の割合が多いことが要因と考えられる。普通交付税合併算定替えの優遇措置が逓減し、歳入における経常一般財源が年々減少しているため、比率は年々増加傾向にある。
(増減理由)基金全体としては、歳計剰余金(100百万円)やふるさと応援寄付金(17百万円)など総額で151百万円を積立てたが、歳入不足の補填や、まち・ひと・しごと創生総合戦略を進めるため、497百万円を取り崩したことにより対前年346百万円の減額となった。(今後の方針)当面大規模事業が続くため、基金を取崩しながらの財政運営が続くものと見込まれるが、重点施策の着実な実行と、財政全般の健全化・効率化、それぞれのバランスを取ながら、早期に本町の本来あるべき身の丈に合った財政運営に変えていく。
(増減理由)令和2年度は歳入不足補填のため、105百万円取り崩し、年度末残額が1,340百万円となった。(今後の方針)今後も大規模事業が続くため、基金の取崩しを継続して行う予定ではあるが、既存事業の見直しを行いながら取崩しを極力抑えていきたい。
(増減理由)令和2年度は歳計剰余金を含め134百万円積立てたが、歳入不足補填に200百万円取り崩したため、基金残高は66百万円減少した。(今後の方針)今後、庁舎整備事業等大規模事業の財源で多額の地方債を発行することから、繰上償還等も検討の必要がある。
(基金の使途)地域振興基金:隠岐の島町まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づく重点事業に要する費用に充てる。ふるさと隠岐の島応援基金:ふるさと納税等によるふるさと寄附金を積み立て、青少年教育又は地域文化の振興に資する事業、医療又は保健・福祉の充実に資する事業、竹島の領土権の確立に資する事業、自然環境の保存・整備に資する事業等に要する費用に充てる。(増減理由)地域振興基金:総合戦略に基づく重点事業に157百万円充当したため、年度末残高は1,811百万円となった。ふるさと隠岐の島応援基金:教育事業等に13百万円充当した一方で、ふるさと寄附金17百万円を積立てたため、前年度より4百万円増加した。(今後の方針)公共施設整備基金:庁舎整備事業実施に伴い、備品購入費等に充当予定。
類似団体数値59.7%と比べ、本町は56.8%と数値は若干低めではあるが、本町所有の公共施設も老朽化が進んできており、除却すべき建造物も見受けられる。近年は往年と比べ公共施設の除却、譲渡の動きが活発になってきており、今後も除却、改修費用の財源の確保に努めると同時に、公共施設の利用価値を見極め、公共施設の売却、譲渡も引き続き検討しながら適切に管理していくことが必要となる。
債務償還比率は類似団体数値520.7%に比べ、827.1%と高い。平成29年度より続く新庁舎建設事業のほか、ジオパーク中核・拠点施設整備事業といった大規模事業が続いており、起債発行額が増加したことが原因と思われる。
有形固定資産減価償却率は、施設の老朽化に伴い年々上昇している。将来負担比率は上記で述べたように大規模事業に伴う地方債発行額の増加から、地方債残高が増えている為、数値が上昇している。これから数年間は地方債発行額が償還元金の金額を上回る見通しであるため、数値も上昇する見込みである。
町村合併前の旧町村において、国の経済対策を背景に地方債に依存した社会基盤整備を行ってきた。特にH5年~H8年までは、毎年約50億円の地方債を発行したことにより地方債残高が膨らんだため、類似団体と比較すると高い比率となっている。H16年度の町村合併以降は、行財政改革の一環として繰上償還や地方債新規発行抑制に取り組んでおり、数値は改善傾向にあったが、H29年度より新庁舎建設事業などの大規模事業が続いているため、将来負担比率は上昇傾向、実質公債費比率とも当面は上昇していく見込みである。
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