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人口減少が続くなか、個人所得や法人税の増収が見込めない上、離島という地理的条件から大企業も無く、税収構造は非常に脆弱である。そのため財政力指数は類似団体を大きく下回り0.19で推移している。観光・農林水産業振興のほか、新たな産業創出も視野に入れ税収基盤の強化を図るとともに行財政改革の確実な実施により財政の健全化を図っていく。
歳入における経常一般財源は年々減少する方向にあるが、町村合併以降実施している行財政改革実施計画に基づく職員数削減による人件費の抑制、地方債の新規発行抑制等の成果で類似団体内平均値と同程度の水準にある。平成28年度は人件費や公債費等の減があったものの普通交付税減額等の影響により前年度より1.6%の増となっている。今後も普通交付税一本算定による影響が見込まれるが、行財政改革への取組みを通じて義務的経費の削減に努め、現在の水準を維持していく。
行財政改革による職員数の削減をはじめとした経費の節減に努めているところではあるが、離島という地域特性から他自治体との社会福祉施設・環境衛生施設等の広域連携が難しく、各施設の運営コストが高くなっている。また、集落が点在しているため交通機関の維持やスクールバスの運行、ごみ収集等におけるコストも割高になっている。
平成16年の町村合併以降、平成21年度までは給与カットを実施していたため類似団体と比較し低い水準にあった。人員削減が計画通りに進んだこともあり、平成22年より段階的に給与カットを緩和したため、それ以降は類似団体と比較して高い水準で推移している。
行財政改革実施計画に基づく職員数の削減は概ね計画どおり進んでいるものの、類似団体と比較すると高い数値となっている。ごみ・し尿処理、給食センター等部分的に民間委託等の推進を行って来たものの、離島という地理的条件から公共施設管理等の更なる民間参入は期待できそうになく、競争に伴うコスト低減も見込めそうにない。事務事業の見直しや事務効率化を進めつつ職員数の適正化を図っていく。
平成16年度の町村合併以降、行財政改革の一環として行った繰上償還や地方債の新規発行抑制等による効果で実質公債費比率は年々改善傾向にある。今後は普通交付税一本算定による歳入減や大規模事業実施による新規地方債発行額の増大に伴い比率が上昇に転じることが見込まれるが、経済対策と財政健全化のバランスを考えながら緊急度・住民ニーズを的確に把握した事業の選択により起債に大きく頼ることのない持続可能な財政運営を目指す。
類似団体内平均値を下回っているものの、平成16年度の町村合併以降、行財政改革の一環として行った繰上償還や地方債の新規発行抑制等による効果で将来負担比率は年々減少傾向にある。今後は新庁舎建設等、大規模事業の実施により基金の取崩しによる予算確保や同事業をはじめとする債務負担行為の設定等により比率が上昇することが見込まれるが、引き続き事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。
平成16年10月の合併以降、行財政改革のもと事務事業のスリム化や統合、職員への退職勧奨を行い平成16年度末に345人であった職員数は平成28年度末には272人となっており一定の成果が出ている。しかし離島という地理的条件から公共施設管理等の民間参入によるコスト低減は期待できず、広域連携等もできないことから更なる職員数の削減は難しい状況である。
類似団体と比較すると支出比率は低くなっているが、住民1人当たりのコストでは平均値より高い。町村合併以降、徹底した経費節減に努めているものの清掃費といった離島であるために割増しとなる経費があることや、民間委託による経費節減が見込めないことが要因となっている。
社会福祉費(高齢者・障がい者・生活保護等)における扶助費は増加傾向にある。高齢化が進み、高齢化率も38.9%(平成28年度末)と高い地域であることから経費削減は難しく、他の経費において節減を図る必要がある。
補助費等のうち約3割が隠岐広域連合への負担金が占めており、そのうち約5割が消防署運営費となっている。隠岐4町村で構成されている消防署であるため、今後も横ばいの支出が見込まれる。そのほかの補助金については、基準に照らし合わせながら補助金の見直しや廃止も視野に適正な交付を行っていく。
平成の初め頃から10年頃までに進めた大規模プロジェクトで多額の地方債を発行してきており、この償還のピークを迎えているため類似団体内で最も高い数値となっている。町村合併以降、地方債の新規発行を抑制してきたことにより公債費数値も着実に改善しつつあるが、必要な公共事業の実施の財源として依存することとなるため、交付税措置率の高い有利な地方債を中心に発行を行っていく。
公債費以外の項目では類似団体内平均値と比較し大幅に低い水準となっている。当町が事業実施の際地方債に依存することが多かったためと考えられるが、町村合併以降行財政改革により徹底した節減を行ってきた成果でもある。離島という地域特性により経費節減が困難な費目も多いが、地方交付税の一本算定による歳入の減が見込まれているため公債費も含め一層の経費節減に努めていく必要がある。
町村合併前の旧町村において、国の経済対策を背景に、地方債に依存した社会基盤整備を行ってきた。特に平成5年から平成8年までは、毎年約50億円の地方債を発行したことにより、地方債残高が膨らんだため、類似団体と比較して高い比率となっている。平成16年の町村合併以降、行財政改革の一環として取り組んでいる繰上償還や地方債新規発行の抑制により改善傾向にある。
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