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景気が緩やかに回復している影響などを受け、歳入面については、市民税が増加したことなどにより、市税収入が増加したものの、それ以上に歳出面において、社会保障関係経費の増加もあり、類似団体及び大阪府平均を下回り、対前年度比では現状維持となった。将来的にも人口の減少による市税収入の増加が見込めないことや、高齢化による社会保障関係経費のさらなる増加が予測されるため、財政健全化計画に基づき、事務事業の見直しなどによる、経常経費の縮減を図るとともに、公共施設等総合管理計画に基づいて、施設の維持管理などに要する経費の見直しを実施し、強固な財政基盤を構築する。また、市税徴収率のさらなる向上など、歳入確保についても継続して取り組む。
経常一般財源については、景気が緩やかに回復している影響などを受け、市民税が増加したことなどにより市税収入が増加し、対前年度比で0.3ポイントの改善となったものの、前年度に引き続き、類似団体及び大阪府平均を上回った。経常経費充当一般財源については、人件費に係るものについては0.1ポイントの改善、扶助費に係るものについては0.2ポイントの悪化、公債費に係るものについては1.6ポイントの改善、物件費に係るものについては0.3ポイントの悪化、繰出金に係るものについて0.9ポイントの悪化となった。現状において、類似団体及び大阪府平均よりも上回っているため、比率の改善を図るよう、事務事業の見直しなどによる、経常経費の削減に努める。
物件費総額は、地方公会計の整備などに係る委託料が増加したことなどにより全体として増加し、人件費総額は職員の採用及び退職、年齢構成の変動などにより全体として増加となったものの、前年同様、類似団体及び大阪府平均を下回っている。主な要因としては、人件費のうち正規職員に係るものについて、退職者の補充の抑制など、門真市定員適正化計画に基づく職員数の適正化を進めていることが挙げられる。
ラスパイレス指数については、職員の採用及び退職、年齢構成の変動などにより、平成27年度で96.8となり、対前年度比で0.8ポイントの減少となった。今後も、国家公務員の給与改定やそれに対応する各地方公共団体の動向に注視しながら給与体系の在り方について検討し、人件費の適正化に努める。
行財政改革推進計画や定員適正化計画に基づく業務の委託化による職員数の削減や退職者の補充の抑制などを行ってきたため、類似団体及び大阪府平均を下回っている。今後も、引き続き、各種計画に基づいてさらなる業務の委託化や公共施設の統廃合などを進め、スリムな行政運営を実施する。
平成25年度から第三セクター等改革推進債の償還が開始したことなどにより、3ヶ年平均での数値が増加となり、前年度比で0.1ポイント悪化となった。今後、「門真市第5次総合計画」に基づく、まちづくり及び老朽化施設の整備等にかかる市債の発行を見込んでおり、引き続き、将来的な公債費の推移を見据えた市債発行に努める。
前年度と比較して、学校教育施設等整備事業債現在高が10億6千万円の増加となったことなどにより、比率は0.9ポイントの悪化となった。今後、比率の動向に注視しながら経常的経費の削減をはじめとした行財政改革を進めるとともに、計画的な市債の発行を行い、財政の健全化に努める。
人件費に係る経常収支比率は、職員の採用及び退職、経験年数階層の変動などにより、前年度と比較して0.1ポイント改善した。大阪府平均と比較すると低い比率となっている。主な要因としては、行財政改革推進計画や定員適正化計画に基づき、業務の委託化などにより職員数を減らしてきたことや、近年の団塊世代の大量退職により、職員の平均年齢が低下していることなどによるものである。今後も、業務の委託化などにより人件費の抑制に努める。
庁内ICT環境の整備などに係る委託料が増加したことなどにより、前年度と比較して0.3ポイント悪化したものの、業務の委託化や指定管理者制度の導入を行ってきたことなどにより、類似団体平均を下回っている。今後も引き続き、業務の委託化や指定管理者制度の導入、さらに公共施設の統廃合などを検討し、コストの削減を図る。
扶助費に係る経常収支比率は、生活保護給付費及び施設型給付費の増加などにより、前年度と比較して0.2ポイント悪化し、類似団体及び大阪府平均を大幅に上回っている。主な要因は、扶助費に占める生活保護費の割合が高いことが挙げられる。また、近年では障がい者自立支援給付費の増加も経常収支比率を押し上げる要因となっている。生活保護については、診療報酬明細書点検等充実事業や後発医薬品の利用促進などの取組みにより引き続き扶助費の抑制に努める。
その他に係る経常収支比率が類似団体及び大阪府平均を大きく上回っているのは、繰出金が多額であることが主な要因である。主な要因としては、国民健康保険事業特別会計の累積赤字の早期解消に向けた繰出金、介護保険を実施しているくすのき広域連合への負担金などが挙げられる。各特別会計ともにさらなる事業の効率化などを進め、経営の健全化に努める。
補助費等に係る経常収支比率は、人事院勧告に伴う職員給与の増加などにより一部事務組合への負担金が増加したものの、施設型給付の導入に伴い、民間保育所等運営補助、簡易・家庭保育施設補助などの見直しにより補助金が減少したことにより、対前年度比では現状維持となり、類似団体及び大阪府平均を下回っている。
公債費に係る経常収支比率は、既に発行済みの市債の償還が終了したことなどにより、前年度と比較して1.6ポイントの改善となった。今後、元利償還金の動向を見据えながら計画的な市債の発行に努める。
物件費、補助費等は類似団体平均を下回っているが、扶助費が大幅に上回っているため、結果的に、公債費以外の経常収支比率においても類似団体平均を上回っている。要因としては、生活保護費の額が多額であることと、近年では障がい者自立支援給付費の増加が挙げられる。生活保護については、診療報酬明細書点検等充実事業や後発医薬品の利用促進などの取組みにより引き続き扶助費の抑制に努める。
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