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財政力指数は、類似団体内平均、全国市町村平均を大きく上回っている。28年度は基準財政需要額が微増、基準財政収入額が微減し、単年度における財政力指数は、昨年度の数値より下回ったものの、25年度の単年度の財政力指数より数値が上回っていたため、26年度から28年度までの3ヵ年平均の財政力指数では昨年度の数値を上回った。基準財政需要額において、引き続き社会福祉費や高齢者保健福祉費が増加し、厳しい財政状況が続くと見込まれるため、歳入確保を中心とした財政基盤の強化と行財政運営の効率化に努める。
物件費の充当一般財源の減少などにより、経常収支比率は0.4ポイント改善した。しかしながら、依然として高率で推移しており、財政構造の硬直した状況が続いているため、ファシリティマネジネントによる施設再編の推進、事務事業の統廃合等による行政改革及び財政構造の健全化・弾力性の確保に努める。
人件費、物件費については、類似団体内平均、全国市町村平均、愛知県市町村平均の全てにおいて下回っている。28年度は国勢調査に関する調査員報酬の皆減等に伴い、人件費が減少したものの、それ以上に運行見直しによる市営バスの指定管理料の増加、老朽化している文化会館の長期修繕・耐震化計画策定委託料の増加等により、物件費が増加したため、総額では昨年度に比べ増加した。今後も内部管理経費の見直しや、事務事業の統廃合等を図り、コスト削減を努める。
ラスパイレス指数については、昨年度に比べ低下したものの、依然として類似団体、全国市との比較でも高い値となっている。その主な要因としては、退職者の増加や職員構成の偏りに伴い、課長級や課長補佐級への昇格の低年齢化が進んでおり、中間層の階層別の平均給与が大きく上昇していることなどが挙げられる。今後もこの傾向が続くことが予想されるため、昇任・昇格の抑制などの措置を講ずることにより、一層の給与の適正化に努める。
人口千人当たりの職員数については、類似団体平均より上回っているが、愛知県市町村及び全国市町村平均と比べると下回っている。限られた職員による効率的な運営を行っていると認識しているが、育児休業職員の代替職員を雇用するなどの措置も必要となってきている。今後も行政サービスの提供体制を工夫し、最適な組織規模で効率的な行政運営を行うよう努める。
実質公債費比率は、公営企業の地方債の補償金免除繰上償還による準元利償還金の抑制や、過去に高金利で借り入れた事業債の償還が進んだこともあり、類似団体内平均、全国市町村平均、愛知県市町村平均、愛知県市町平均の全てにおいて下回っている。今後は大型事業の実施に伴う新発債の償還額の増加により数値の上昇が予想される。公共下水道事業などの普通会計以外の会計で借入を行っている地方債の割合が他団体と比べ高いことなど、本市固有の事情もある。今後も、世代間の負担の公平化と将来負担のバランスをとりながら、適切な地方債の発行管理に努める。
将来負担比率は、28年度より数値がない状態となり、類似団体内平均、全国市町村平均、愛知県市町村平均の全てにおいて大きく下回っている。これは、市債発行の抑制などにより、以前から将来負担額の低減に努めてきた結果である。昨年度を下回った主な要因は、都市計画税の充当見込額の増加、土地開発公社経営健全化の推進による支出予定額の減少及び組合負担等見込額の減少である。今後も市債発行の適正化、公営企業においては独立採算制の確保に努めるとともに、将来負担比率の動向に留意し、健全な財政運営を図る。
人件費に係る経常収支比率は、類似団体内平均の値を3.3ポイント上回る結果となった。定員適正化計画に基づき職員数及び給与の適正化を進めており、28年度は分子となる職員給与及び職員共済組合負担金が減少したが、それ以上に地方消費税交付金の減少等により分母となる経常一般財源等が減少したため、昨年度に比べ0.1ポイント増加した。今後とも行政サービスを維持しつつ、内部事務の見直しや組織の簡素化を進め、人件費の抑制に努める。
物件費に係る経常収支比率が高率で推移しているのは、業務の民間委託化により職員人件費から物件費(委託料)へのシフトを進めてきたことによるものである。28年度は経常経費として充当する賃金等が減少したことにより、1.5ポイント改善した。今後も内部管理経費の見直しや事務事業の統廃合等を図り、物件費の削減に努める。
扶助費に係る経常収支比率は、0.6ポイント増加したものの、類似団体内平均、全国市町村平均、愛知県市町村平均を下回っている。増加した主な理由は、介護給付・訓練等給付費、生活保護費や施設型給付費負担金等が増加したためである。今後も高齢化の進展により、扶助費は確実に増加してくことが見込まれる。
その他に係る経常収支比率は、愛知県市町村平均を上回り、類似団体内平均、全国市町村平均を下回っており、昨年度から0.1ポイント改善した。この経費の多くを占める公営事業会計への繰出金(経常経費分)の減少が主な要因であるため、事業の一層の効率化及び適正化を図ることなどにより、税収を主な財源とする普通会計からの繰出金の縮減に引き続き努める。
補助費等に係る経常収支比率は、長期間に渡り経常的に支出されている補助金等の見直しを進めていることなどから、類似団体内平均、全国市町村平均、愛知県市町村平均を下回っており、概ね適正な水準にある。昨年度から0.5ポイント増加した主な理由は、尾張東部衛生組合負担金が増加したことにより、分子となる経常経費充当一般財源等が増加したためである。今後も補助金の適正な見直しを行い、補助費等の削減に努める。
公債費に係る経常収支比率は、昨年度と同じ数値であり、類似団体内平均、全国市町村平均、愛知県市町村平均を下回っている。これは、過去の高金利及び大型事業の地方債の償還が進む中で、新発債抑制を進めてきた結果によるものである。今後も適切な地方債の発行管理に努める。
公債費以外に係る経常収支比率は、物件費及び人件費に占める経常一般財源等の割合が高いことから、類似団体内平均、全国市町村平均、愛知県市町村平均の全てを上回っている状況にある。しかしながら、人口1人当たり決算額で比較した場合の人件費、物件費等においては、類似団体内平均、全国市町村平均、愛知県市町村平均の全てにおいて下回っている。今後も引き続き、歳出削減を図るとともに、内部管理費の見直しや事務事業の統廃合を図り、物件費等の削減に努める。
将来負担比率、実質公債費比率ともに、類似団体内平均を大きく下回っている。将来負担比率については、市債発行の抑制などにより、以前から将来負担額の低減に努めてきた結果であり、実質公債費比率については、公営企業の地方債の補償金免除繰上償還による準元利償還金の抑制や、過去に高金利で借り入れた事業債の償還が進んだことが影響している。今度も世代間の負担の公平化と将来負担のバランスをとりながら、市債発行の適正化を図り、公営企業においては独立採算制の確保に努め、健全な財政運営を図る。
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