2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度
当市の財政力指数は0.62で、類似団体の平均(0.72)や県内市町の平均(0.72)を下回り、県内14市中13番目と低い位置にある。特に、市税の徴収率は、91.9%と前年度より2.6%上昇したものの、14市中11番目と低い位置にある。そのため、土地の評価額の漸減や、人口減少及び高齢化の進展に伴い課税額の増が見込めない中、更なる市税の徴収率向上に努めるとともに、「日光市まち・ひと・しごと創生総合戦略」により、企業誘致を推進し、工場などの進出による法人市民税や固定資産税、雇用の場の確保による個人市民税の増収を図ることにより、歳入の確保に努めていく。
当市の経常収支比率は97.6%となり、経常収支比率も類似団体と比較して高い状況にある。主な要因として、歳出においては、合併以降依然として経常経費に占める人件費の割合が高く、クリーンセンター維持管理における包括業務委託や指定管理委託料などを主とした物件費が増加した。一方歳入においては、市税収入額は横ばいで推移しているが、普通交付税は、平成28年度から合併算定替の縮減が開始されたことから減少傾向となる。平成27年度は普通交付税や地方消費税交付金が増加したことから、経常収支比率が2.4%減少する結果となったが、平成28年度は、普通交付税や地方消費税交付金が減少したことから、3.2%増加した。人件費や物件費といった経常経費の圧縮により、経常収支比率の改善を図る必要がある。
当市の人口1人当たり人件費・物件費等の決算額は173,261円で、類似団体の平均(107,902円)や県内市町の平均(114,511円)をともに大きく上回っている。特に、職員数が類似団体と比較して多いため、人口1人当たりの人件費が高くなっている。その理由は、広域圏の合併により一部事務組合の事業を引き継ぎ、単独自治体として消防事業を実施していることや、市域が広いため居住地や観光施設が点在し、分散型の消防防災体制を整える必要があることから、類似団体と比較して消防関係職員が多いことなどが挙げられる。今後、職員定員適正化計画に沿って職員数を調整するとともに、物件費等についても、財政健全化計画による削減を進め、毎年度予算編成時に抑制を図っていく。
ラスパイレス指数は、平成20年度以降、概ね横ばい(国家公務員の時限的な給与改定特例法による措置がないとした場合)で推移している。これまで、55歳以上の原則昇給停止や昇格制度の見直し、現給保障の段階的廃止など国と同等の措置を行うことにより、全国市平均と同水準を維持している。今後も、より一層の給与の適正化を図るとともに人件費の縮減に努めていく。
当市の人口千人当たりの職員数は10.73で、類似団体の平均(6.24)や、県内市町の平均(6.75)を上回っている。これは、広範囲な市域の行政サービスを維持していくため、地域の行政拠点施設を設置していることに加え、消防防災体制も分散型としていることから、類似団体に比べ職員数が多くなっている。しかし、当市の著しい人口減少や厳しい財政状況に鑑みれば、効率的で効果的な行政経営に取り組まなければならない状況にあり、そのため、平成29年4月時点で、平成18年4月に比べ299人(普通会計)の職員を削減した。今後も、行政サービスの維持向上に努めながら、職員定員適正化計画に基づき、退職者補充率の抑制などにより、職員数の削減を行い、より適切な定員管理に努めていく。
当市の実質公債費比率(過去3か年平均)は5.6%で、類似団体の平均(6.9%)及び県内市町の平均(5.8%)を下回っている。臨時財政対策債や辺地対策事業債・過疎対策事業債のほか、教育施設、市庁舎などの大型施設整備事業に伴う合併特例事業債の発行により、元利償還金の額は増加したものの、これらの起債は交付税措置の割合が高いことから、過去3か年平均は前年度より0.6%低下した。今後、緊急度や住民ニーズを的確に捉えた事業の選択と集中を徹底し、交付税措置のある市債の計画的な活用を図りながら、適正な財政運営に努めていく。
当市の将来負担比率は54.5%で、類似団体の平均(35.3%)や県内市町の平均(10.0%)をともに上回っている。市債残高は増加しているものの、臨時財政対策債や辺地対策事業債・過疎対策事業債のほか、教育施設、市庁舎などの大型施設整備の財源として合併特例事業債を活用している。平成28年度は財政調整基金等の取崩等により前年度と比較して4.0%増加した。地方債への過度な依存を避けなければならないことから、今後はより一層、緊急度や住民ニーズを的確に捉えた事業の集中と選択を徹底し、交付税措置のある市債の計画的な活用を図りながら、適正な財政運営に努めていく。
広範囲な市域の行政サービスを維持していくため、地域の行政拠点施設を設置し、さらに消防防災体制も分散型としていることから、類似団体に比べ職員数が多くなっている。しかし、当市の著しい人口減少や厳しい財政状況に鑑みれば、効率的で効果的な行政経営に取り組まなければならない状況にあり、そのため、平成29年4月時点で、平成18年4月に比べ299人(普通会計)の職員を削減した。今後も、行政サービスの維持向上に努めながら、職員定員適正化計画に基づき、退職者補充率の抑制などにより、職員数の削減を行うとともに、効率的な行政組織体制や事務合理化による時間外勤務の抑制により、人件費の削減に努めていく。
2市2町1村の広域合併により公共施設が点在し、類似施設も多い。また、世界的な観光地が存在することから、市営の観光施設を多く有し、その維持管理に要する費用が大きく、物件費に係る経常収支比率が高くなっている。さらに、類似団体と比較して職員数が多いため、職員定員適正化計画により職員数の削減を進める一方で、民間委託、指定管理者制度の導入を行っていることなどから、物件費は増加傾向にある。平成28年度においては、経常的な物件費の増加に加え、普通交付税等の経常一般財源が減少したため、1.3%増加した。今後も抑制に努める必要がある。
扶助費に係る経常収支比率は、類似団体や県内市町と比較するとやや低い状況にあるものの、高齢化の進行や障がい者自立支援給付費の増、こども医療費の助成における県内医療機関を対象とした現物給付方式の高校3年生相当までの拡大など、市独自の社会保障施策の実施から増加傾向にある。そのため、今後、単独扶助費の見直しや資格審査などの適正化を図ることにより、上昇を抑制していく必要がある。
維持補修費、投資及び出資金、貸付金、繰出金などに係るその他の経常収支比率は、類似団体や県内市町と比較して低くなっている。これは、主に投資及び出資金や貸付金などに係る比率が低いことが理由として挙げられる。平成28年度は12.5%で、前年度より0.2%増加しているが、主な理由は、道路橋りょう等の維持補修費が増加したためである。今後は公共施設マネジメント計画により、施設保有量の適正化を推進し、維持補修費の平準化を図っていく。
補助費等に係る経常収支比率は、類似団体や県内市町と比較して大幅に低くなっている。これは、広域合併により一部事務組合の事務を引き継いだため、一部事務組合への負担金(補助費等に区分される)が大幅に減少したことによるものである。なお、補助金については、平成18年度に見直し基準を設け、整理合理化を行ったところであるが、近年増加傾向にあるため、財政健全化計画により、今後は住民サービスの低下を最小限に抑えながら、抜本的な補助基準の見直しを図っていく。
公債費に係る経常収支比率は減少傾向にあったが、普通交付税等の経常一般財源が減少したため増加に転じた。公債費は、広域合併により一部事務組合の地方債を引き継いだことや、合併特例事業債などの積極的活用により、類似団体や県内市町と比較し高い状況にある。廃棄物処理施設整備事業などの大型事業により合併特例事業債の発行が多額なことや、臨時財政対策債発行額の増加などから、公債費はしばらく高止まりが予想される。しかし、地方債への過度な依存を避けるため、緊急度や住民ニーズを的確に捉えた事業の集中と選択を徹底し、交付税措置のある市債の計画的な活用を図りながら、適正な財政運営に努め、各指標の改善を図っていく。
人件費や物件費の経常収支比率が類似団体と比較して高いことから、公債費以外の経常収支比率も類似団体と比較して高い状況にある。平成28年度は普通交付税や地方消費税交付金が減少したことから、2.6%増加する結果となった。今後も、社会需要の高まりにより障がい者自立支援給費や保育施設費などの扶助費の増加は避けられないものと見込まれるため、人件費、物件費及び補助費等といった経常経費の圧縮により、経常収支比率の改善を図る必要がある。
実質公債費比率は類似団体と比較して低く、将来負担比率は高くなっているが、どちらも減少傾向にある。これは、市債残高は増加しているものの、臨時財政対策債や辺地対策事業債・過疎対策事業債のほか、消防施設や清掃施設、市庁舎などの大型施設整備の財源として合併特例事業債を活用しており、交付税措置率の高い市債の割合が増えているためである。しかし、地方債への過度な依存は避けなければならないことから、緊急度や住民ニーズを的確に捉えた事業の集中と選択を徹底し、交付税措置のある市債の計画的な活用を図りながら、適正な財政運営に努めていく。
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