経営の健全性・効率性について
経常収支比率、料金回収率ともに100%を超えていることから、経営の状況としては安定しているとみられる。しかし、集落が点在していることから配水管に対する給水戸数の割合が低い、町内に配水施設が6カ所ある等により類似団体よりも給水原価が高くなっている。また、漏水が多いことにより、水道施設や給水装置を通して給水される水量が収益に結びつかず、有収率が78.74%と減少していることから、有収率増加に向けて平成29年度から漏水調査に力を入れている。流動比率が類似団体より高いこと、現在累積欠損金もなく今後も欠損の見込みがないこと等により今後の資金繰りは安定し、健全な経営ができている。また、施設利用率も高く適切な投資により水の供給を行えている。
老朽化の状況について
法定耐用年数を超えた管路を多く保有しており、経年化率が高くなっている。老朽化の著しいものから管路の更新を行い、更新率の向上を図る。また、企業債残高対給水収益比率は年々減少しつつあり類似団体よりも低いが、今後多くの施設更新が必要になることから、企業債増額を含めた経営の見直しを行うこととなる。管路更新率の減少については、平成27年度に前年度からの繰越事業の影響により増加しているため、平成28年度の減少が目立っている。
全体総括
管路経年比率および更新率の向上のため、平成29年度に固定資産台帳の見直し、アセットマネジメントの策定、経営戦略の策定を実施することにより、今後の管路更新計画、経営に係る投資財政計画の取り組みに反映する。また、有収率向上のため最大の原因となる漏水調査に重点を置き、平成30年度には管路の更なる適切な更新を行うため、管網解析等により将来を見据えた施設の統廃合や管渠のダウンサイジング等を検討する。