経営の健全性・効率性について
本町の水道事業は、平成30年3月に町内にあった二つの簡易水道事業を統合し、同時に上水道事業の認可を取得、併せて、公営企業法に基づく全部適用事業として、公営企業会計への移行などを果たし、現在運営、維持管理にあたっている。一般的に水道事業は、設備投資に膨大な資金を必要とし、その一方で少子高齢化(本町では65歳以上の高齢化比率は47%を超えている)が急速に進んでおり、人口減少が加速している。このため、人口減少に伴い収入は大幅に減少するが、水の供給の必要性は低下しないという相反関係が生じている。本来、水道事業は公営企業会計に移行し経営分析を行いながら、独立採算での事業推進が求められているが、先の理由等により、給水収益だけでは設備投資・維持更新がままならず、一般会計からの繰出金等を充当することで事業運営を行っているところである。このような状況の中、収支の改善をはかるためには、料金改定と併せて、より経費圧縮に向けた取組及び料金滞納の解消が急務である。
老朽化の状況について
統合前の二つの簡易水道設備のうち、旧湯田地区については、統合整備事業により、老朽管と施設設備更新はほぼ終了したところである。しかし、旧沢内地区の更新作業が今後に控えている。多大な設備投資となるが、老朽管の更新による安定的な水の供給と、施設統合による維持管理経費(給水原価)を削減し、併せて適正な水道料金となるよう料金改定が必要と考えている。
全体総括
安全で安心な水を町民に提供していくのは水道事業の使命であるが、人口減少に伴う収入減、現在施設の老朽化に伴う設備投資、水道法の改正による台帳整備、頻発する災害への耐震化対応、民間の知識等の活用など諸課題は多い。当面は、内部資金留保も見据えた料金改定、経費圧縮が最大の課題であると認識している。