経営の健全性・効率性について
当該施設の使用料については、事業開始当初から毎年未収金も無く全て完納されている。使用料等における事業経費回収率は、前年比1.93%減少し50.29%となっており依然として類似団体平均以下を推移しており、一般会計繰入金により収益比率100%と他会計に依存した状況にある。汚水処理原価については、委託料の減少及び高額修繕等が生じなかったことにより、近年は低下傾向となっているが、今後、接続利用者の増加に伴う処理量の増加及び管理経費の大幅な増減の見込みが無いことから現状ベースで推移する見通しである。将来的に事業廃止の方針が決定していることから、過剰な設備投資をすることが無いように、機器更新時期等の見直しによるランニングコストの縮減を図り経営の健全性・効率性の向上に向けて取り組む。
老朽化の状況について
当該施設は、供用開始から20年以上経過しているが、接続加入世帯が少ないことから施設処理能力に対し21.9%の設備利用率である。このことから、稼働年数に対し機械的な負担が少ないため、比較的に健全な設備機器の状況にある。また、適時、機器更新によるメンテナンスを行っており著しく老朽化が生じている状況にはない。
全体総括
当該施設は、平戸市の中でも少子高齢化が進み単身世帯も多い地区にある。供用開始後、加入率は60%台を推移しており今後も人口・加入者等の増加は見込めない状況にあり、使用料金改定の検討を行ったものの、全国平均に対し約2倍の料金設定となっている。このことから料金改定による収入増加が見込めず赤字運営の事業となっている。この様な事業運営形態にあることから令和元年度に最適整備構想における再編計画による改修案を基に将来的な人口減少も踏まえ事業廃止・継続の検討を行った。検討の結果、令和12年度を目途に事業を廃止し、個別浄化槽処理への転換を図る方針を決定した。事業廃止までの間、必要最低限度の管理経費に留め事業運営を図る。