柳井市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

本市は、平成１２年より柳井地域広域水道企業団から責任水量として日量１０，４４０ｍ3を全量受水しており、１２０円/ｍ3の受水費は経常費用の約５割になる。人口減少と節水機器の普及及び大口利用企業の撤退等に伴う有収水量の減少が無収水量を拡大させ、経営を圧迫する大きな要因となっている。コスト削減のため、浄水場も休止し職員の削減も行ってきたが大幅な収益の改善には至っていない。将来に渡り安定的な水道水の供給のためには老朽管の更新が必要であり、その財源確保のため水道料金を、平成２７年１０月に平均改定率１１．４４％で改定（前回改定：平成１２年）した。経営健全化については、高額な受水費と責任水量との乖離による収益を補うためにも、高料金対策の助成が必要である。また、市からの繰り入れも今後も必要なものである。一方で自らも支出削減を行うため平成２９年度から窓口業務を中心とした事務の包括外部委託を予定している。

老朽化の状況について

本市の管路経年化率は、全国平均と比べても高い数値を示し、管路の更新が急がれる。そのため、平成２７年３月に平成４１年度を目標として策定した「柳井市水道事業老朽管更新計画」に基づき、ダウンサイジングや管路の適正配置も併せて検討する。また老朽管更新を効率的かつ効果的に行うため更新対象路線を抽出し、老朽管の改良と管路の耐震化をバランスよく更新を行う。その安定的な財源確保のため、平成２７年１０月に平均改定率１１．４４％の料金改定を行った。

全体総括

経常費用に対する受水費の占める割合が高いのが、本市の特徴であり経営を苦しめている要因である。受水費の大幅な値下げと無収水量の大幅な減少ができない以上、更なる利用者への負担増加も生じかねない。また、安定的な水の供給のためには、老朽管の更新は続けていかなくてはならない。これらのことを考えると、コスト削減では限界があり、高料金対策の助成と市からの繰入は今後も必要なものとなる。