長浜市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

近年、経常収支は損失を計上、即ち赤字となっており、３年前から損失額が大きくなってきている。これは、給水人口の減少による収益の減少と電気料金の改定による動力費の増加をはじめとする施設維持管理費の増加によるところが大きい。また、平成２６年度は浄水場の膜モジュール交換を実施したことから損失がさらに増加したものである。企業債残高は、平成１８年度の浄水場建設の際に借り入れた企業債があり、年々減少しているものの、他団体に比べて高い水準で推移している。これに伴う企業債利息の償還も経営を圧迫している要因である。経常費用の増加により給水原価が上昇し、料金回収率も悪化している。施設規模に問題は無いが、漏水による有収率の悪化もあり、経営効率は良くない。給水人口の減少傾向に加え、地域水道ビジョンに基づく施設の更新、整備に対応していかなければならないことから、引き続き厳しい経営状況が続くものと予測される。現在、短期債務に対する支払い能力は不足していないが、現金残高は年々減少傾向にある。アウトソーシングの採用等、徹底した経営の合理化に取り組んできたが、固定経費の削減が困難な状況にあるため、供給単価と給水原価のバランスを考慮した適切な料金設定を検討する必要がある。

老朽化の状況について

取水施設、浄水施設、配水施設、いずれも耐用年数には達しておらず、また、管路についても耐用年数を超えてた管路は無く、現在のところ改修の必要は無いと判断している。平成２５年度、平成２６年度の管路更新率が増加したことについては、耐用年数到達前ではあるが、漏水が著しい管路の更新を図ったもので、石綿セメント管、塩化ビニル管を更新したものである。今後、配水管が順次耐用年数を迎えること、また、一部の浄水場、配水池と殆どの配水管が耐震基準に適合していないことから、長期的な経営計画も視野にいれた施設の耐震化、管路の更新を進めていく必要がある。

全体総括

長浜市の上水道事業は平成２７年４月１日をもって､長浜水道企業団へ経営統合した。水道事業の広域化をはかることで、経営の合理化、効率化をさらに進めることが可能となり、また、水道企業団の持つ水道技術、経営ノウハウを活用することで、経営改善を推進していく。