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類似団体平均を若干上回っている状況ではあるが、対前年度比較では0.08ポイント減という状況である。平成20年秋以降の世界的な経済金融危機の影響による景気の急速な悪化より若干の持ち直しの動きも見られたが、東日本大震災や欧州危機等の影響により市内大手企業の収益減に伴い法人市民税が減じたことが比率を引き下げた要因となっている。世界的な金融危機や東日本大震災、欧州危機等は、我が国の経済や地方公共団体にも長期にわたり影響を及ぼしており、景気の急速な回復は見込めない状況にある。また、個人市民税についても団塊の世代の退職等による生産年齢人口の減少により大幅な減少が危惧される。当市としては、過度に法人市民税に依存することのないように抜本的な行財政構造改革を行うため「取手市財政構造改革アクションプラン」を策定し、収納率の向上、受益者負担の適正化、市有財産の処分等により歳入額を確保するとともに、さらなる歳出額の抑制に努め、収支均衡型の財政構造への転換を図り、持続可能な財政構造の構築に努める。
平成22年度は法人市民税が若干持ち直したことなどにより類似団体平均を下回り例年並みの比率となったが、平成23年度は東日本大震災や欧州危機等の影響により法人市民税が減少し、個人市民税についても景気の悪化や団塊の世代の退職の影響などにより前年度と比較して約2億円減少したため比率が悪化した(対前年度比1.9ポイント上昇)。歳出について、特に人件費は、昭和40年代の急激な人口増加にともなう行政需要に対応するために多くの職員を採用したことにより類似団体と比較して若干多い人数であったが「取手市財政構造改革アクションプラン」の確実な取り組みにより、定年退職者補充の為の新規職員採用の凍結により人件費の削減を図っている。今後も、人件費の抑制と併せて、内部事務経費の徹底した削減や、事務事業の見直しと再構築、施設の統廃合、一部事務組合・第三セクター等の組織の見直し、指定管理者制度の活用など、歳出の抜本的な見直しに努め、継続して行財政改革を実施していく。
平成21年度は類似団体平均を上回っていたが、平成22年度は類似団体並みの数値となった。平成23年度は、対前年度比1,630円の増ではあるが、類似団体平均より3,971円下回る数値となった。これは、取手市財政構造改革アクションプランの取り組みによる人件費の抑制と、内部事務管理経費等の削減により効果が現れたものと思われる。今後も、取手市財政構造改革アクションプランの緊急対応期間である平成24年度までは定年退職者補充のための新規職員採用の凍結を実施するとともに、組織の見直し等を行い適正な定員管理を図り人件費の抑制に努める。
類似団体平均を若干上回っているが、国家公務員の時限的な給与改定特例法による措置がないとした場合のラスパイレス指数は99.4となり、対前年度比較では7.4ポイント減となる。平成23年度についても地域手当の抑制(人事院では15%支給地域に指定されているが3%で支給)を実施している。また、ラスパイレス指数の高い職員の退職や昇格試験の導入(平成22年度から実施)などにより指数が減となっている。今後も人事院勧告を準拠し、給与の適正化に努める。
前年度に比べて職員数は減(対前年度比-43人)となっているが、人口が減少傾向にあるため、0.31人の微減となった。当市は、昭和40~50年代の人口急増期における公立保育所の相次ぐ新設や、市直営による消防業務及び旧藤代町との合併も影響し職員数が類似団体に比べて多くなっている。今後も、組織・事務事業の見直しと併せて計画的な定員管理の中で、職員数の適正化を図る。
類似団体平均と全国平均は若干上回っているものの、茨城県平均とほぼ同値という状況である。都市基盤整備等の普通建設事業にあてた地方債や、一部事務組合に係る地方債の償還が平成25年度頃にピークを迎えることから、今後は、適切な事業の選択・実施による適正な市債発行、満期一括償還地方債の借換え・期間の見直し等を順次行い、公債費の減額及び償還金の平準化を図り、実質公債費率の急激な上昇を抑える。
類似団体平均を上回っている状況が続いているが、対前年度比較では2.8ポイント比率が減少した。将来負担額のうち地方債残高、組合等負担見込額は増となっているものの、将来負担額から差し引くことのできる充当可能財源等も増となったため、分子となる将来負担額合計が対前年度比で3億4千万円の減(-2.13%)となったことが、将来負担比率を引き下げた要因である。今後は、地方債発行の抑制など、各年度の起債総額の調整を図りながら地方債現在高の急激な上昇を抑制する必要がある。また、公債費等の義務的経費の削減を中心とする行政改革を進め、今後も後世への負担を少しでも軽減するよう、新規事業の実施等に係る総点検を実施し、財政の健全化を図る。
類似団体平均と比べて高い水準にあるが、当市は昭和40~50年代の人口急増期における公立保育所の相次ぐ新設や市直営による消防業務及び旧藤代町との合併により、職員数が類似団体と比較して若干多いことや50歳以上の職員の占める割合が44.3%という年齢構成が影響し比率を押し上げていることが主な要因である。しかしながら、平成23年度は対前年度比0.8ポイント増になっているが「取手市財政構造改革アクションプラン」の取り組みにより人件費の抑制が図られ、削減効果が現れている。今後も組織・事務事業の見直しと併せて適正な定員管理を図る。
類似団体と比較すると平均を大きく下回っており、過去の5年間の推移をみてもほとんど同水準にある。取手市財政構造改革アクションプランの取り組みにより内部事務管理経費等の見直し等による削減効果が現れているためと思われる。今後も、旅費や需用費、備品購入費、委託料など継続的に精査・見直しを図っていく。
茨城県平均は若干上回っているものの、全国平均や類似団体平均と比較すると低い割合を維持している。しかし、全国的に高齢化社会を迎えているなかで、当市においても例外ではなく社会保障費にかかる割合は今後年々増加が予測される。特に生活保護費、障害者自立支援給付費にかかる割合が膨らんできており、経常収支比率を押し上げる主因となっていくことが懸念される。今後も市が単独で行う各種扶助の経費について継続的に精査、見直しを図っていく必要がある。
その他に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、繰出金の増加が主な要因である。少子高齢化による人口の減少や、高齢化率の割合が高いことなどから国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険事業の特別会計に対する繰出金が年々増加傾向にある。またこれまでに整備してきた下水道事業への繰出金も増になり対前年度比0.7ポイント増となった。特に、国民健康保険については、財源補てん的な繰出金が増加傾向にあることから、独立採算の原点に立ち一般会計に依存しない財政基盤の強化が必要である。
類似団体平均値を継続的に下回って推移しており、過去の5年間の推移をみてもほとんど同水準にある。平成23年度は、一部事務組合への負担金が減少したことにより比率が0.8ポイント減少した。また補助金については,平成21年度に10%のマイナスシーリングを実施し、平成22年度においては公募制補助金を導入し、削減に努めている。今後も引き続き適正な補助金の交付を行い公平性・公益性の確保に努めていく。加えて今後は、ゴミ焼却施設の建設により常総広域市町村圏事務組合への負担金の増加が見込まれるため、維持管理経費の削減について働きかけるなど負担金の抑制を図っていく。
公債費については、過去に実施した都市基盤整備事業の元利償還金に加え、喫緊の課題である学校の耐震化事業の実施や、臨時財政対策債、減収補てん債などの赤字地方債の借入により地方債現在高が増加した影響で、地方債の元利償還金が膨らんでおり、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を0.9ポイント上回っている。さらに下水道事業の元利償還金に係るものなど公債費に類似の経費を合わせると、人口1人当たりの決算額は類似団体平均を1,062円上回っており、公債費の負担は非常に重いものになっている。公債費のピークは平成25年度となると見込まれるが、その後も高止まりで推移すると予想されているため、今後の学校等の耐震化事業も含めて、将来の取手市に対する投資的な事業についても、緊急性や優先順位を十分検討し、市債の発行を抑制するとともに、借換えや耐用年数等を勘案した償還期間の設定により、公債費の抑制や平準化を図っていく。
前述のとおり、扶助費・補助費等が減少したものの、人件費・その他については増加したことにより、公債費以外の比率としては対前年度比1.1ポイント上昇した。今後も類似団体平均と比較して高い水準のものは、継続的に精査・見直しを行い健全な財政運営を行っていく。
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