にかほ市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

当市の水道事業は人口減少や節水型機器の定着及び弱電部品関連企業の移転に伴う給水量の減少により、H25年度に累積欠損金が発生しましたが、H26年度9月に料金改定を行った結果累積欠損金は解消されました。しかし、流動比率が類似団体と比較しても低い状況である。当市の水道事業の給水量は年々減少しており、それに伴う料金収入の減が考えられる。今後流動比率がマイナスに転じないように収支のバランスに気を付けて経営を行いたい。また、施設利用率が類似団体と比較すると低い数値にあるが、上記にある通り給水量が年々減少していることが関係していると言える。給水量の減少を考慮し、供給施設再編を視野にいれる必要がある。加えて、有収率が類似団体と比べてかなり低く、管路の老朽化に伴う漏水等が発生していると考えられる。現在70%台にある有収率を80%台への改善を目指し、老朽管の更新工事を行いたい。更新工事を行うにあたり、収支とのバランスを考慮しなけらばならない。そこで更新計画の構築や現在行われている「公共下水道工事」との同時施工による事業費の削減を行う等して、健全性の高い経営の維持に努めたい。

老朽化の状況について

当市の水道事業において、有形固定資産減価償却率はH26年度に増加しているが、これは制度改正に伴う会計制度の変更による増加である。また、管路経年化率を見ると当市は類似団体と比べて高く、管路の老朽化が進んでいると言え、上記にある有収率の低さと関係していると考えられる。しかし、年々少しずつではあるが管路経年化率は下がっており、今後5年間で管路経年化率の2%減を目指し、老朽管の更新を進めたい。現在、石綿セメント管更新工事や公共下水道事業に伴う水道管移設工事を行い、老朽管の更新を行っているが、更なる水道の安定性の向上のため、老朽管の調査と計画的な更新工事を実施し、安定給水の確保を図りたい。

全体総括

当市の水道事業は料金改定を行ったこともあり、H26年度に累積欠損金は解消されたが、類似団体と比べると支払能力が低い経営状況にあると言える。加えて、上記にもあるとおり、給水量の減少や有収率の低さ及び管路の老朽化が進行しているため、現在の経営状況を維持しつつ、老朽管の更新を実施することが当市の課題であると言える。今後も給水量の減少による料金収入の減が続くと考えられるため、老朽管の更新工事や新設工事を行う際、投資過剰にならないよう収支のバランスを考えた投資計画を立て、安全かつ安定した水道事業の運営を行いたい。