新ひだか町：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

平成26年度より地方公営企業会計の制度が変わり、財務指標そのものがより経営実態を反映したものとなったことから、特に流動比率の大幅な減少が見られる。これは企業債の当年度償還額を制度改正により流動資産に振り替えたことによるもので、債務を本来あるべきところに振り替え、より経営実態に沿った比率が反映された形となった。これによっても負債が資産を上回ることはなく債務超過には至っていない。経常収支比率や料金回収率を見ると、維持管理経費等を料金で確実に回収しており、且つ利益を出している。企業債については、平成24年度から借入していないため、対給水収益に対する比率が減少はしているが、老朽管更新の必要な建設投資は実施していることから有収率も80%台を保持しているため、分析数値からは経営は安定しているといえる。しかし、社会問題となっている、人口減少や少子高齢化等により生産人口が減少している中、料金収入も例外ではなく、今後の社会情勢や景気状況による経営環境の悪化が懸念されるところである。

老朽化の状況について

平成17年度より、水道管路の更新及び耐震化を計画的に進め、平成33年度を目処に布設20年を超える老朽管の更新を終了するが、管路は将来に亘って更新しなければならず、布設済の管路の耐用年数等を把握し、的確な更新計画を今後も策定する必要がある。東日本大震災を教訓に建設基準法改正前の基準で施工された公共施設等の耐震化が急がれるところであり、水道施設においても例外ではないことから、基幹となる水道施設については、平成27年度から平成40年度頃までを見込み、基幹７施設を耐震化する予定である。

全体総括

経常収支及び料金回収率は100%以上を堅持し、有収率も80%以上を保っていることから、経営状態は良く、管路の更新及び維持管理については的確に実施しているといえる。しかし一方で減価償却率が年々増加していることから、管路以外の施設更新、特に平成18年度に施工した神森浄水場や清水丘配水池等の電機機械計装設備の大規模設備が一斉に耐用年数を迎えることから、基幹施設の耐震化事業と並行して更新していかなければならず、今後必要な固定財源がさらに必要となる。人口減少等で給水収益が減少し続ける状況で、企業債以外の固定財源を確保しなければ、企業の内部留保に大きな影響があるため、キャッシュフローの検証を行い、真に必要な更新に係る投資を吟味しながら事業展開していかなければならない。