経営の健全性・効率性について
経常収支比率は継続して100%を超えており、黒字経営となっている。流動比率も継続して100%を超え、類似団体平均値よりも高く、短期的な債務の支払い能力は確保されている。料金回収率も100%を超え、基準外操出に頼ることなく、給水収益で給水に係る費用が賄えている。また、今後の更新工事のための建設改良積立金も類似団体に比べ、多く保有している。しかし、観光人口が右肩上がりの時代に、対応できる施設を整備したものであるため、施設利用率は類似団体と比較しても低い状態となっている。また、計画的な更新が行われておらず、部分的な補修対応にとどまっていることから、有収率についても類似団体よりも低い状態となっている。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率H2962.2%H3063.6%に修正。平成4年度から8年度において老朽管布設替工事を実施したが、その後、計画的な改修を行っていない事から、管路等の老朽化が進んでおり、有形固定資産減価償却率、管路経年化率において類似団体と比較してしても高い状況である。また、部分的な補修対応にとどまっていることから、更新率は類似団体と比べ低い状態である。
全体総括
現状において、水道事業の財政状況は類似団体との比較においても健全経営を維持しているが、観光人口の減少や節水意識の高まり、また今般の新型ウィルスの影響などにより給水収益は減少することが見込まれる。老朽化した施設の更新を行うにあたり、多額の更新費用が必要となることから、水道料金の改定も視野に入れながら、事業経営の一層の健全化を図っていく必要がある。