経営の状況について
・収益的収支比率及び営業収支比率は、北杜サイト太陽光発電所の実証研究開始から12年目を迎え、機器設備の更新を行うため減少傾向である。このため更新投資に充てる財源確保に努める必要がある。・供給原価については、施設の更新が始まり前年度より上昇している。またEBITDA(減価償却前営業利益)については、全国平均を下回っている。一昨年度より収益性が低下している状況である。売電の公募落札単価下落も一因と考えられるが、省エネ・再エネによる地球温暖化対策のCO2削減に向けての施策により、一般会計への繰出し経費の要因も大きいため、運転状況は良好と考えられる。
経営のリスクについて
・設備利用率は全国平均より高く稼動している状況である。太陽光発電は天候に大きく左右され、日照時間に恵まれている本市においての年間発電量は、高い発電効率を誇っている。・企業債残高料金収入比率0%については、NEDO実証研究を経て譲渡されたため企業債を活用していない。・FIT適用終了(H40.4.30)後の事業のあり方については、現時点で方針は定まっていないが、H32年度までに策定を予定している経営戦力において、FIT終了による電力料収入の変動リスクも踏まえて検討することとしている。
全体総括
現状分析の結果を見ると、本市の電気事業は地域特性を活かしFIT適用による再生可能エネルギーの太陽光発電については収益性が高く、経営状況は良好と判断される。なお、NEDO実証研究を経て譲渡された北杜サイト太陽光発電所は開始から12年目を迎え、設備機器の更新計画により機器更新を実施している。計画的に実施することにより、経年劣化による突発的な故障を未然に防ぎ、安定的な発電を目指すとともに、保守費・修繕費等の軽減に努め、長期の使用を図る必要がある。また、H32年度を目処に策定を予定している経営戦略のなかで、FIT適用終了及び料金契約終了(H40.4.30)による電力料収入の変動リスクも踏まえて検討することとしている。施設の目的である地球温暖化問題への理解促進を図るため、視察、見学者の受け入れや、研究フィールドとしての利活用も行い、PVモジュールの実環境における特性比較及び傾向分析、その他必要な調査・研究について継続して行う。