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類似団体の中では最も高い水準となっており、全国平均及び県内平均との比較においても継続して高い水準を保っている。しかし財政力指数は在住人口をベースとして計算されており、年間を通じて2,000万人にものぼる観光客については殆ど反映されていない。観光を基幹産業とする当町において、観光関連の事業に要する経費や観光客も考慮した環境衛生施設の維持管理、消防力の強化等に多額の経費を要している。そのため、町の規模で必要とされている金額と実際の決算額との間に大きな乖離が生じており、実際の財政状況は厳しい状態が長く続いている。
28年度は前年度に比べ0.1ポイントの減となった。歳入においては、平成27年度の大涌谷の火山活動により、個人・法人町民税が減となったこと等で、全体としては78,114千円の減となった(1.2%減)。歳出では、職員給及び手当や、ごみ処理施設の光熱費の減となったこと等で、歳出全体としても80,679千円の減となった(1.3%減)。歳入よりも歳出の減小額の方が大きく、結果として経常収支比率は減となったもの。今後も、箱根町行財政改革アクションプランを着実に実行することで、歳入確保、歳出削減を推進し、財政の健全化を図っていく。
当町の人口は12,000人ほどであるが、年間を通じて2,000万人もの観光客が訪れる首都圏でも有数の観光地であり、観光客へ対応するために人口を大きく上回る処理能力を有したごみ処理施設、下水道施設の維持管理や消防力の強化が必要不可欠である。そのため、県内平均・全国平均を大きく上回っている。28年度は、人件費については、職員給や退職金の減により人件費全体が減となった。物件費については、ふるさと納税促進事業のため必要となった経費、及び地方創生推進事業に係る経費により大幅増となった。
これまでも定年退職者の1/2以内の補充や業務の執行方法の見直し、効率的な組織の改編などにより職員の削減を継続的に行ってきたが、年間を通じて2,000万人にものぼる観光客に対応するための観光、ごみ処理、下水道及び消防に関連する施設に勤務する職員を数多く必要とすることから類似団体の平均値を大きく上回る数値となっている。また山間部に集落が点在するという地形のため、出張所や消防分遣所も集落ごとに配備する必要があり、他団体よりも多くの職員を擁している。
公債費については、年間を通じて2,000万人にものぼる観光客に対応するために行うごみ処理施設、下水道施設の整備や消防力の強化にかかる負担が大きく、劇的な数値の改善は難しい状況にある。平成28年度は対前年度0.9ポイント増となった。実質公債費比率は3か年平均で測定するため、平成25年度と平成28年度の単年の数値を比較することとなる。平成25年度と平成28年度を比較したところ、平成26年度から第三セクター等改革推進債の返済が始まったことによる元利償還金の増加、及び算入公債費が増加したことによる償還に要する経費の増加により、分子が増加した。一方、分母である標準財政規模は減少となった。結果として、分子が増加し、分母が減少することとなったので、実質公債費率は増加した。公共施設の老朽化への対応などに伴い、今後も起債を行う必要性が高まるが、税収の減や臨時財政対策債発行可能額の算定方法の変更など実質公債費比率を悪化させる要素が多い中にあって、地方債の発行と償還のバランス等への適切な対応をとるよう努めていく。
28年度は前年度比13.6ポイントの減となった。将来負担額は、地方債現在高の減少(-526,554千円)及び退職手当負担見込額の減少(-4,676千円)により、大幅減(-442,136千円)となった。地方債現在高の減少は、総合体育館建設事業などの借入額及び借入利率の高い起債の償還が完了したためである。退職手当負担見込額の減少は、一般職の人数減少に伴うものである。また、28年度はふるさと納税寄付金により、充当可能基金が大幅増(+530,919千円)となったことに伴い、充当可能財源も大幅増となった。これらの要因により、将来負担比率は大幅減となった。
山岳地域に集落が点在するという地形により出張所などに勤務する職員を多く必要とするため県内、全国市町村平均値を大きく上回り、類似団体との比較においても昨年度に引き続き最も低い順位となった。職員給は年齢層が若くなっていること等により減少傾向が続いていが、28年度においては、職員給等の増により、人件費充当一般財源が50,431千円増となったため、経常一般財源における人件費の割合は増となった。
24年度以降ほぼ横ばいとなっていたが、今年度は27年度と比べ0.4ポイント減となった。物件費の中では委託料がその多くを占めているが、その大半はごみ処理施設の維持管理など環境整備に要する経費であり、年間2,000万人もの観光客に対応するため必要不可欠なものである。今後も住民及び観光客に十分なサービスを提供しつつ、事業等の見直しを推進し、経費の削減に努めていく。
今年度は前年度より0.1ポイントの減となったものの、国の法令に基づき実施されているものが多いほか、町が単独で行う各種扶助費にも多額の費用がかかっているため、今後も増加の傾向が続く見通しであることから歳出削減が難しく、財政を圧迫することが懸念される。
28年度は、国民健康保険特別会計への繰出金の大幅な減少などで、繰出金全体が91,977千円減少した。結果として、その他経常経費は前年度より1.0ポイント減となった。
28年度は、前年度と比べて0.5ポイント増となった。グラフは横ばいになっているが、全国及び神奈川県の数値の平均を大きく下回り、類似団体内の順位では上位を維持している。今後も引き続き適正な執行に努めていく。
28年度において、公債費は27年度に比べ総額で35,313千円、比率として0.4%減となっている。今後は地方債の発行と償還のバランス等への適切な対応をとるよう努めていく。
28年度は前年に比べ0.3ポイントの増となった。公債費以外の各経常経費に充当した一般財源が減ったが、分母である経常一般財源等の減の方が大きかったため全体的に増となった。今後も引き続き経費の削減に努めていく。
将来負担比率及び実質公債費比率は、類似団体と比較して高いものの、将来負担比率は減少傾向にある。将来負担比率の分子を構成する将来負担額は、地方債現在高及び退職手当負担見込額の減少に伴い、確実に減少している。しかし、平成27年度においては、固定資産税の評価替えの影響で、分母を構成する標準財政規模が大幅減となった。それにより、分母の減少率が分子の減少率を上回ったため、前年度と比べ増となっている。実質公債費比率は高いものの、将来負担比率が減少傾向にあるので、実質公債費比率についても、今後は減少していくと想定される。今後も引き続き後世への負担を少しでも軽減するように、財政の健全化に努める。
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