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令和2年度は単年度でプラス0.009ポイントとなったが、3か年平均においては0.007ポイントのマイナスとなった。基準財政収入額については、消費税率改正の影響が平年度化したことによる地方消費税交付金の増や景気回復による所得割の増、新増築家屋の増による固定資産税(家屋)の増などにより前年度から増加した。また、基準財政需要額については、単位費用の増加による社会福祉費の増や社会再生事業費の新設などにより、4年連続で増加となった。
会計年度任用職員制度が開始されたことによる人件費の増、障害福祉サービス費や認定こども園運営委託料などの増による扶助費の増があったものの、地方消費税交付金、市税、地方交付税及び株式等譲渡所得割交付金などが増となるなど、経常一般財源収入の増加が上回ったことにより、前年度比で1.8ポイントの改善となった。今後も自主財源確保への取組を強化するとともに、経常経費の節減に向けた取組を進める。
人件費については、会計年度任用職員制度の創設などにより、前年度比で増加となった。物件費については、非常勤職員賃金の減などがあったものの、小・中学校ICT環境整備事業などの増により、前年度比で増加となった。引き続き、人員の適正化を進めるとともに、事業の見直しに努め、削減を図る。
人口千人当たり職員数は増加が続いているが、依然として全国や東京都の平均を下回っている。令和2年度は人口が減少したことや職員数が微増となったことで、前年度比で0.11ポイントの上昇となった。職員の年齢構成に偏在がみられるため、中長期的な視点で改善を図りながら、適正な定員管理に努める。
算定の分母は地方消費税交付金の増などに伴う標準税収入額等の増加により、標準財政規模が増加したため増となった。また、分子は下水道事業会計の法適用化の影響により準元利償還金が減少したため減となった。このように、分子が減少し、分母が増加となったことにより、実質公債費比率は単年度で1.7ポイント、3か年平均で1.1ポイントの改善となった。
算定の分母は地方消費税交付金の増などに伴う標準税収入額等の増加により、標準財政規模が増加したため増となった。また分子は一般会計等の地方債現在高が増加、充当可能財源等が減少したものの、下水道事業会計及び一部事務組合の地方債現在高が減少したことなどにより、合計として減となった。このように、分子が減少し、分母が増加となったことにより、前年度比で3.3ポイントの改善となった。
会計年度任用職員制度の創設により、前年度と比較して1.0ポイント増加している。職員数や手当の水準は、類似団体と比較しても低いため、人件費に係る経常収支比率は低くなっている。今後も、適正な職員数の管理を行うともに、民間委託を活用するなどして、数値の改善に努める。
小・中学校のICT環境整備事業の増などがあるものの、非常勤職員賃金が会計年度任用職員の創設により減少したため、前年度比で0.4ポイント減少した。引き続き、事務事業の節減など、既存事業の見直しを進める。
扶助費に係る経常収支比率は、類似団体平均を上回っている。その要因として、私立保育所運営委託料や障害福祉サービス費の増加、高齢化の進行による高齢者福祉費の増加などが考えられる。扶助費全体としては、今後も増加が見込まれることから、市単独事業の適正化に努める。
令和2年度は公営企業会計に移行した下水道事業の影響などにより、前年度比で4.4ポイントの減少となったが、依然として全国、東京都及び類似団体の平均と比較し高い水準となっている。今後も高齢化に伴い介護保険特別会計などへの繰出金は増加していくと見込まれるため、適正な管理に努めていく。
補助費等に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、一部事務組合負担金が多額になっているためである。また令和2年度は公営企業会計に移行した下水道事業の影響などにより、前年度比で2.5ポイント増加した。一部事務組合と連携を図りながら、負担金の抑制に努めるとともに、補助金・負担金の適正化に努める。
臨時財政対策債償還費などの増加要因はあったものの、旧地域総合整備事業債の償還費が減少したこと伴い、前年度比で0.8ポイントの減少となった。引き続き、市債発行の抑制などにより、数値の改善に努める。
前年度比で1.0ポイントの減少となったものの、類似団体と比較して依然として高い水準である。これは人件費が低い水準で推移している一方、補助費等や扶助費、物件費が高い水準で推移していることなどによるためである。歳出削減に対する取組を進め、数値の改善に努めていく。
(増減理由)東京都の市町村新型コロナウイルス感染症緊急対策特別交付金を新型コロナウイルス感染症緊急対策事業基金に160百万円を積み立てた。また、令和元年東日本台風の影響により、330百万を取り崩した財政調整基金については、300百万を積み戻したことなどにより、基金全体としては394百万円の増となった。(今後の方針)基金の積立てについては、当該基金の利子と基金の目的に相当する指定寄附金などを合わせて積み立てることを基本としている。今後については、市税の減収などの不測の事態への対応に加え、施設整備や公共施設の老朽化対策など、今後の財政需要の増大に適切に対応していけるように一定額を確保していくことを予定している。
(増減理由)令和元年東日本台風の影響により、330百万を取り崩した財政調整基金については、300百万を積み戻した。(今後の方針)財政調整基金は、標準財政規模の10%程度を目途に積立てを行っている。財源調整等の理由で取り崩したときは、優先的に補てんを行い、それを維持するよう努める。
(増減理由)(今後の方針)令和3年度においては普通校税の臨時財政対策債償還費の積立を行う予定である。
(基金の使途)テレビ共同受信施設整備基金:テレビ共同受信施設の維持管理公共施設整備基金:公共施設の整備資金安心安全まちづくり基金:防災、防犯その他の安心安全なまちづくりの施策を推進産業振興基金:観光その他の産業振興施策を推進環境保全基金:生物多様性の保全、緑の保全、緑化の推進、郷土の恵みの森づくりその他の環境保全施策を推進市営住宅整備基金:市営住宅の整備資金教育文化基金:教育、文化、スポーツ等の施策を推進保健福祉基金:健康づくり、子育て支援その他の福祉施策を推進(増減理由)テレビ共同受信施設整備基金:施設補修工事などに29百万円を取り崩したことなどによる減少。公共施設整備基金:土地建物貸付収入の一部を積み立てたことなどによる増加。安心安全まちづくり基金:令和元年東日本台風の災害復旧事業に61百万を取り崩したことなどによる減少産業振興基金:入湯税7百万円、森林環境譲与16百万円を積み立てたことなどによる増加。新型コロナウイルス感染症緊急対策事業基金:東京都の市町村新型コロナウイルス感染症緊急対策特別交付金を新型コロナウイルス感染症緊急対策事業基金に160百万円を積み立てたことによる増加(今後の方針)当該基金の利子と基金の目的に相当する指定寄付金などを合わせて積み立てる。
令和2年度末については、前年度と比較して0.5ポイント増加の74.5%となっており、類似団体平均と比較して高い水準となっている。公共施設全体が老朽化しているが、特に学校施設や道路などについて老朽化が進んでいる。個別施設計画を踏まえ、公共施設の長寿命化や再編・再配置など適正化を図る。
令和2年度の債務償還比率は859.4%となり、前年度と比較し14.6ポイント減少したが、依然として類似団体平均より高い水準となっている。引き続き借入れの抑制や、繰上償還の実施などにより、将来負担額の減少に努め、債務償還比率の縮減に取り組む。
令和2年度末の将来負担比率は41.1%、有形固定資産減価償却率は74.5%となっており、いずれも類似団体平均より高い水準となっている。将来負担比率は、市債の償還が進んでいることなどにより減少傾向にあるものの、有形固定資産減価償却率は老朽化により増加傾向にある。有形固定資産については、個別施設計画を踏まえ、公共施設の長寿命化や再編・再配置など適正化に努めるとともに、将来負担比率については、引き続き市債残高の縮減に向けて取り組む。
将来負担比率については、市債の償還が進んでいることなどにより減少傾向となっている。実質公債費比率については、元利償還金の減少などに伴い、前年度と比較し1.1ポイント改善した。いずれも類似団体平均と比較して高い水準となっていることから、引き続き市債残高の縮減に取り組み、長期的な数値の改善に努める。
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