経営の健全性・効率性について
■経常収支比率及び料金回収率は、100%を超え、全国平均値、類似団体平均値を上回っており、健全な事業経営を実施しています。■経常利益は、黒字経営となっており、累積欠損金比率は0%。災害による損失により特別損失がありましたが、前年度からの繰越利益剰余金の補填により累積欠損金は発生しておりません。■流動比率は、類似団体平均値を上回っております。比率が100%超えていることから、1年以内に支払うべき債務に対して支払能力を有していると読み取れます。■企業債残高に対しては、類似団体平均値を大きく上回っております。現在進行中の第5次拡張事業への取り組みにより建設改良費が年々増加するため、今後も企業債の発行額が大きくなることから、企業債残高は増加の一途となります。企業債発行額の抑制、残高の縮減を図る意味でも財源確保に努めていきます。■給水原価は、類似団体平均値を上回っており、給水コストが高いものと考えられますが、施設の劣化等による修繕費用によるものです。■施設利用率が類似団体平均値を下回っており、稼働率が低いことを表しており、現有施設の修繕等施設の効率的な運用を図っていきます。■有収率は類似団体平均値を上回っております。収益に結び付く水量の確保に向けては、漏水調査の実施や修繕を実施しておりますが、維持管理を含め適正な経営運営により効率性を確保していく必要があります。■上水道第5次拡張事業の推進、既存施設の経年劣化、老朽化等に伴う維持管理費が嵩んでおり、費用増加につながっています。財源確保に向けて健全な経営が成り立つよう努めていく必要があります。しかしながら、安定供給を図ることや災害対策、耐震化の強化を図るため、計画的な整備を進めていきます。
老朽化の状況について
■有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値を上回っており、年々増加しており、資産の老朽化が進んでいると読み取れます。■管路経年化率は、全国平均値及び類似団体平均値を下回っており、老朽水準は低いものと考えられます。■管路更新率は、計画的な整備が必要であると読み取れます。当町では、浄水場施設の老朽化に伴う第5次拡張事業を優先して取り組んでいることから、近年更新事業を見合わせておりますが、計画的な整備推進が必要であることから、財政計画を含めた早急な対応を検討していく必要があります。アセットマネジメント(資産管理)への取り組み等計画的な管路の改良、更新を図っていく必要があります。
全体総括
■経営の健全性について、現時点では良好な経営を維持しております。■施設関連が創設期よりかなり年数が経過しており、特に高度成長期に建設された多くの施設が老朽化を迎えていることから、計画的な施設整備や更新が必要であると考えられます。■また、現在進行中の第5次拡張事業にかかる事業費が嵩むことから、企業債負担が大きく影響してくることは間違いなく、料金見直しなど財源確保に努めることが重要となります。施設の効率性を高めながら、将来の運営体制のあり方についても検討していく必要があり、健全な事業運営が継続できるように取り組んでいきます。