経営の健全性・効率性について
経常収支比率及び料金回収率並びに給水原価については、水道料金が人口減少及び観光客の入込の鈍化により、思うように収入が伸びなかったことや、施設の老朽化による修繕費の増加により事業収益については前年度比0.1%(164千円)の減、事業費用は前年度比0.5%(1,638千円)の増により前年度に比べ、悪化に転じている。流動比率については、浄水場建設事業にかかる国庫補助金や消費税還付金の未収金の増加、企業債償還金の減少が要因であり、一時的なものである。企業債残高対給水収益比率は、浄水場建設事業にかかる起債の増加によるもので、4年度も集中して工事が行われるため、企業債残高は今後増加を見込んでいる。今後は、物価高騰により電気代や燃料費の増大が見込まれ、給水収益があまり期待できない状況であり、今後の経営悪化が見込まれる。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、類似団体と比較して高い傾向の状況であり、浄水場建設工事が完了するまでは高い傾向が続くが、完成後にどれだけ改善されるか注視する必要がある。管路経年化率については、下水道管の布設事業に合わせて水道管も布設替した経過があり、類似団体に比べ、低い方ではあるが管路更新計画の策定も含め今後の方針を検討していきたい。
全体総括
経営の健全性・効率性は改善されているところはあるものの、悪化している部分が多い。多数の観光宿泊施設を抱える当町はコロナ禍の終息が見えないなか、観光客の増加に不安定さもあるなかで物価高騰のあおりにより電気代や燃料費の増加が見込まれさらに人口減少も重なり、経営のさらなる悪化が懸念される状況である。経費節減にも限度があり、物価高騰に対する国の支援及び管路施設等の改修見直し等を含め経営の悪化を最小限にする方法を検討していきたい。