経営の健全性・効率性について
経常収支比率、流動比率とも100%以上となっているが、経常収支比率は昨年度比で△2.28ポイントとなっており、また、類似団体平均を大きく下回っている。主な要因としては、施設の老朽化に伴う維持管理費の増大など給水原価の高止まりに加え、給水人口の減少に伴う給水収益の減少と思われる。料金回収率については、昨年比で8.2ポイント上昇したが、依然として100%を下回っており、今後も厳正な料金収入の確保に務めなければならない。また、企業債残高対給水収益比率については、類似団体平均値を大きく上回っていることから、既存施設の更新時期や適正規模を考慮しながら、企業債発行の抑制に加え、料金水準の見直しについても検討していく必要がある。施設利用率及び有収率は、例年同様に類似団体平均を下回って推移していることから、今後も施設更新時におけるダウンサイジングなど適正規模の検討や、管路の計画的な漏水調査の実施により、効率的な経営に努める。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、昨年度比で1.04ポイント上昇しており、今後もさらに施設の老朽化による更新が必要であることからも、収益の確保や施設の適正規模の検討などによる事業費の抑制に努めなければならない。管路経年化率は横ばいであるが、管路更新率が上昇しておらず、経年化率の上昇が予想されるため、計画的な管路更新の強化に取り組む必要がある。
全体総括
現状、経営の健全化はかろうじて保たれているが、今後も給配水施設や管路のなど老朽化施設の更新が必要であり、それに見合う収益の安定確保が急務となっている。今後は、投資財政計画の見直しなど水道事業経営戦略の更新による、適正な料金水準の見直しの検討とともに、施設の合理化や効率的な運用、各種必要経費の見直しなどを検討し、経営基盤の強化に務める。