経営の健全性・効率性について
令和3年4月に水道料金を20%増額改定したため、経常収支比率は昨年度と比べ高い数値となり、料金回収率とともに類似団体平均よりも高くなっています。また、累積欠損金も発生しておらず健全な経営状況と考えます。企業債残高対給水収益比率が類似団体に比べ高い比率を示していますが、平成29年度に統合した簡易水道事業に係る企業債を含んでいるためであり、旧簡易水道事業債を除くと429.03%となり、類似団体平均値を下回ります。今後も計画的な事業の実施のために、資金残高とのバランスに注意しながら借入額の調整を行うことが必要です。有収率については、管路の老朽化により低下しており、類似団体の平均値よりも低い数値を示しています。定期的な漏水調査を実施し、漏水箇所の早期発見、早期修繕に努め、同時に老朽管の布設替えを計画的に実施していきます。
老朽化の状況について
整備計画に基づき、病院・災害時避難所等の施設への給水確保を考慮し、優先度を設定して基幹管路及び施設の耐震化・更新を進めています。平成29年度から令和3年度まで5箇年計画で実施しておりました町中心部の基幹管路の更新が終了しました。今後も引き続き、主要な管路から順次、布設替えを行っていきます。
全体総括
令和3年4月から水道料金を20%増額改定したことにより、将来的な更新費用の財源の確保も含め、健全な経営状況にあると考えます。しかしながら、人口減少・節水意識の高まりによる水需要の減少、物価上昇・耐震化・水質改善への対策等に伴う費用の増加、職員の異動による技術継承の問題等、小規模事業者の抱える課題は山積しています。今後も、経営計画に沿い適正な規模での施設整備と施設の統廃合・ダウンサイジング等を実施し、事業全体として経営の効率化を進め、将来にわたり安定的な事業の継続を目指して取り組んでいきます。