遠野市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率は、過去５年間ともに100％以上となっており、黒字経営である。しかし、給水人口の減少に伴い給水収益（水道料金）が減少することが予想されることから、更なる費用削減が求められる。②累積欠損金比率は、過去５年間で累積欠損金が発生していない。③流動比率は、平成25年度において一時的に未払金が減少したことから、高い水準となっているが、その他の年度においては、ほぼ一定の割合で推移している。④企業債残高対給水収益比率は、前述のとおり給水収益が減少していることに伴い高い水準となっている。また、類似団体平均値を上回っているが、今後建設改良費に対する起債割合を減少させるなど企業債残高の減少に向けた計画を策定している。⑤料金回収率は、東日本大震災の影響により、一時的に減少したが平成24年度以降100％前後の水準となっており、適正な料金水準を保っている。⑥給水原価は、減価償却費の高騰により、類似団体平均値を上回っている。⑦施設利用率は、過去５年間ともに一定の水準を保っているが類似団体平均値を下回っており、更なる施設の統廃合やダウンサイジングが必要となっている。⑧有収率は、老朽管更新により徐々に改善されているが類似団体平均値を大きく下回っていることから計画的な老朽管更新を行い、その改善に努めたい。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率は、年々増加傾向にあり、施設の老朽化が進んでいる。また、昭和50年代の大規模改修の法定耐用年数も迫っており、今後も増加する傾向にある。②管路経年化比率は、類似団体平均値を下回っているが、上述のとおり大規模改修の法定耐用年数が迫っており、今後は増加することが見込まれる。③管路更新率は、平成26年度において類似団体平均値を上回っているが、総体的に低い水準となっている。今後も計画的な管路更新を行い、その改善に努めたい。

全体総括

経営の健全性・効率性から判断すると経営自体は、類似団体と比較して良い水準を示しているが、有収率、施設利用率、企業債残高対給水収益比率など課題も多い。老朽化の状況については、類似団体と比較して老朽化は進んでいないように見えるが、昭和50年代の大規模改修の耐用年数が経過することにより、一気に悪化するおそれがある。今後も遠野市水道ビジョンに基づき経営の健全性を図りながら、計画的な老朽化施設及び老朽管路の更新を行っていく。