経営の健全性・効率性について
平成29年度は、地方公営企業法適用を翌年度に控え打切決算としたため、単純比較が困難となっています。①の収益的収支の伸びは、平成28年10月に使用料を改定した効果による収益増加と、維持管理費にかかる未払金の発生や支払利息の減など費用が下がったことによるものです。④の企業債残高対事業費規模比率は微減で推移しており、企業債残高は今後も減少していくものと見込んでいます。平成29年度は打ち切り決算の影響が大きく、⑤の経費回収率(料金水準の適切性)は未収金以上に未払金が大きかったことにより微増となっており、⑥の汚水処理原価(費用の効率性)は、これまで施設整備に要した地方債の償還額の増加に伴い増加傾向にあったものが、平成29年度は未払金が増加したことにより減少に転じています。⑧の水洗化率は、整備の進捗により類似団体平均値に近づいており、平成31年度でほぼ完了の見込みであることから平均値を上回ると予想しています。下水道施設更新については、ストックマネジメント計画に基づく効率的で効果的な事業執行を行っていきます。
老朽化の状況について
本市の公共下水道の施設は耐用年数を経過したものや耐震性能を有していないものがあり、事故発生や機能停止を未然に防止するため、引き続き、ストックマネジメント計画に基づき耐震化等の機能向上も考慮した改築を計画的に実施します。
全体総括
収益については、使用料を平成28年10月に平均で12.4%改定し、一定の改善はしておりますが、人口の減少に伴う使用量の減少により減少が見込まれます。一方、費用については、その多くを占める地方債償還費が、平成33年度をピークに減少傾向に転じる見込みですが、施設の老朽化による改築費用の増加などが見込まれます。以上の2点から今後の下水道事業は大変厳しいものになると見込まれております。そのため、平成30年4月からは地方公営企業法を適用して、企業会計方式を取り入れることにより、経営の見える化を進めるとともに、将来にわたり安定的に事業を継続するため、中長期的な経営の基本計画となる「経営戦略」を策定することとしています。