経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は継続的に100%を超えており、類似団体平均を上回ることから、良好な収支となっている。②累積欠損金は発生していない。③流動比率は令和元年度において、建設改良事業により大きな支出があったことにより減少となったが、令和2年度で支払い能力の改善を行った。④給水収益に対する企業債残高の割合は低く、類似団体と比べても良好な状況である。⑤料金回収率は100%を上回っており、給水に関わる費用は給水収益で賄えている。類似団体比率と比べても高く、良好な状況である。⑥給水原価は、類似団体平均に比べて低い水準であり、費用効率は良いといえる。⑦施設利用率は、類似団体平均に比べて高い水準であり、施設が有効利用されている。⑧有収率は平成元年度の86.70%に比べ85.83%と0.87ポイント低下しているが、平成30年以前より改善傾向を維持している。また、類似団体平均を上回っており現状の値を維持及び向上できるよう努めて行く。◆以上から、本町の水道事業は健全で効率的な経営ができているといえる。しかし、①経常収支比率⑤料金回収率については前年と比較すると減少する状況であったが、これについては、新型コロナウイルス感染拡大防止の一環として、3ヶ月間町営水道全利用者、一律500円を減免したことにより、給水収益が減少した結果が影響したものと分析する。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、類似団体平均より高い数値であり、法定耐用年数に近づいた水道施設が多いことが分かる。②③当町の管路は、昭和50年度から布設延長が急激に伸び、昭和55年度には約58km(管路全体の4割)の布設が行われた。これらの管路は現時点で40年以上経過している状況である。また、令和2年度の管路更新率は、昨年の0.43%から0.69%と上昇し、全国平均と同じ水準になりましたが、今後、大量の管路が更新期を迎えるため、管路更新を計画的に進め管路更新率を上げる必要がある。
全体総括
現在、当町の水道事業経営は安定しているといえるが、今後、施設・管路の老朽化が進み、大量の施設・管路が一斉に更新期を迎えるため、更新費用の財源確保が課題である。また、人口減少に伴う料金収益の減少、安定供給の確保、施設の耐震化等の対応が課題である。これらの課題に対して、中長期視点で更新需要を考慮して、計画的な更新計画及び財源計画、施設の整備計画を策定し、水道事業の安定供給を確保する。