経営の健全性・効率性について
①経常収支比率指標値は100%を超え、過去2年より増加に転じてたが、平均値より減少しており今後も料金回収率と併せて分析するなどの改善を検討する必要がある。②累積欠損金比率これまで累積欠損金は生じておらず、今後も生じないよう経営努力を継続する。③流動比率平成26年度に施設改修が、概ね完了し施設の耐震化に伴う支出は下降傾向から回復している。令和2年度は類似団体平均よりも高くなっており、今後は、老朽管の更新事業や配水場の機械機器等の交換事業が計画されていることから流動比率にも留意しながら事業を推進する必要がある。④企業債残高対給水収益比率企業債については、毎年度類似団体平均値、並びに全国平均値よりも大幅に低い状況であるが、今後は、老朽管の更新事業や配水場の機械機器等の交換事業が計画されており、借入を予定しているため増加していく可能性がある。⑤料金回収率料金回収率は100%を下回り、前年と比較すると減少しているが、新型コロナウイルス感染症対策に伴う基本料金(6ヶ月分)減免による減少である。なお一般会計から基本料金分の補助金を受けると97.8%となる。また給水に係る費用が給水収益以外で賄われていると考えられる。⑥給水原価
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率全国平均値並びに類似団体より上回っており、今後も老朽化が進み数値は微増傾向にあることから今後の修繕費等の発生見込みを推測し設備投資計画の参考とする。②管路経年化率平成29年度までは横ばい傾向であったが、平成30年度から大幅に上昇した。これは、平成27年度に実施したアセットマネジメント検討により、事業創設当初に設置した管路が法定耐用年数を迎えることが明確となった為である。引き続きこれら創設当初の老朽管の更新を計画的に行うことが必要である。③管理更新率平成28年度にアセットマネジメントを実施し、その結果を基に将来にわたる安定的な事業経営を維持していくため計画的に老朽管の更新を行う必要がある。
全体総括
今後も、経常収支比率が100%を下回らないよう健全な経営に努めるが、人口減少による給水収益の減少が進んでおり、施設等の更新財源の確保が十分とは言えない状況である。施設の老朽化については、平成28年度のアセットマネジメントを実施し、その結果を基に老朽管更新基本計画を策定し、これに基づいた老朽管更新事業に平成29年度から取り組んでいる。また、平成28年度に将来にわたって安定的に水道事業を継続していく為の中長期的な基本計画である「経営戦略」(「投資・財源計画」を含む)を策定し、さらなる業務の効率化を推進しながら事業の健全性を確保する為、水道料金の引き上げや水道施設のダウンサイジング等の検討を行い、収支均衡を図ることが必要である。