経営の健全性・効率性について
・北広島市では、汚水処理施設の整備がほぼ終了し下水道が普及しているため、⑧水洗化率は高止まりとなっています。・平成29年度は、終末処理場設備の不具合による突発的な支出や管渠の閉塞工事といった収益的支出が増加しました。また地方債について、元利均等借入であること、償還終了分と開始分の差額発生、利子の縮減のため一部を元金据置なしとしたことなどで地方債償還金が増えたため全体的に支出額が増加しました。下水道使用料について、大口使用企業からの収入が増加したものの、支出の増加がこれを上回ったため、①収益的収支比率が低下する結果となりました。・ただし、近年の地方債借入額が4~5億円で推移しているのに対して、その償還金額は6億円台後半となっているため毎年企業債残高は減少し、④企業債残高対事業規模比率は今後も低下が見込まれることから、財政状況は健全な状態に向かっているといえます。・下水道使用料収入の増加と、有収水量の増加に伴う⑥汚水処理原価の低下により、⑤経費回収率が向上する結果となりました。しかし、今後は人口減により緩やかな使用料減少が見込まれます。・施設の利用状況や適正規模を示す⑦施設利用率について、類似団体及び全国平均を上回る状況であることから、おおむね効率性が向上しているといえます。
老朽化の状況について
・昭和47年の下水道供用開始から46年余りが経過し、終末処理場及びポンプ場の機械・電気設備の老朽化が進行しています。・管渠施設については、今後更新時期を迎えますが、数年後から耐用年数を経過する施設の増加が確実な状況となっています。・以上のことから、平成30、31年度において、すべての下水道施設を対象とするストックマネジメント実施計画を策定し、改築・更新の最適化及び長期的な投資の平準化を図ることとしています。
全体総括
・汚水処理施設についての投資が、大規模な建設整備から維持管理的な改築・更新に変わってきたことで、地方債の借入金が減少し、関連して地方債償還金が減少していますが、下水道使用料は人口減少に伴い、中長期的に減少傾向が見込まれています。・現在、経費回収率は上昇傾向にあり類似団体平均値を超えていますが、いまだ100%に達していないため、十分な水準であるとはいえません。・これらの点については、安易に下水道使用料の改定に頼るのではなく、平成30年度中に策定する経営戦略とともに、31年4月からの地方公営企業移行を契機として、ストックマネジメント実施計画に基づき長期的視点に立った最適な投資を行っていくことで、下水道事業経営のさらなる健全化・効率化を目指していくこととしています。