経営の健全性・効率性について
(1)健全性について累積欠損金が無く、経営収支比率が100%以上あることから健全に運営できているものと考えます。(2)効率性について効率性の指標の一つである施設利用率は晴天時処理能力に対する晴天時平均処理水量の比率ですが、下水終末処理場の処理能力は日最大処理水量を基に計画することが標準であるため、晴天時処理水量の最大値と平均値との差が大きい場合、一見すると効率性が低い結果になってしまいます。ここで、仮に分子を晴天時最大処理水量とした稼働率を算出すると77%程度となり、一定の利用率を有しているものと考えます。恵庭市の場合、有収水量全体の約4割家事用外であり、そのうち約5割が工場用排水であることから、工場の稼動状況により、処理水量に増減が生じ、日当り水量に変動を与えている可能性があるものと考えます。
老朽化の状況について
管路全体として、標準耐用年数50年を経過した管渠はなく、道路陥没が増加すると言われている30年を経過した管渠は337km(52%)であり、今後は2019年度策定予定のストックマネジメント改築修繕計画に基づき、管の長寿命化を図って行く予定です。
全体総括
現状としては、経常収支比率が100%を上回っていることから、現在の経営状況は良好と判断できますが、H29年度は経費回収率が100%を切っています。これは、今後の更新計画のための耐震診断委託等を実施したことによるものですが、今後の見通しについてもH30年度策定の「下水道事業経営戦略」で作成した収支計画上も回復の見込みが薄く、100%を切る状況を見込んでいます。このため、現在、上下水道一体の事業診断による経営効率化推進調査を実施中です。この結果を踏まえ、膨大な資産を有し、多様の事業を取扱う下水道事業を今後とも健全に運営していくための方策を検討し、効率的な企業運営を図っていきます。