経営の健全性・効率性について
いずれの指標においても、類似団体平均値及び全国平均値と比較して、効率的かつ健全な経営状況であることが確認できます。なお、近年では有収水量の伸びなどから、経費回収率が100%を大きく上回っており、経営は健全な状況といえる一方で、使用料が適正な水準を大きく上回っている状況とも判断できます。このことから、これまで取り組んできた経営効率化に伴う固定費等のコストダウンの成果を、使用者である市民や企業へ還元するとともに、世代間負担の公平性の観点に鑑み、平成30年4月(5月検針分)から、使用料の引下げを行っています。
老朽化の状況について
当市の下水道事業において、管渠の大半は耐用年数を迎えていないため、管渠における指標では、類似団体平均値及び全国平均値と比較して著しく低い値となっています。一方、機械・電気設備等においては、長寿命化に取り組んでおり、耐用年数を経過した施設であっても点検・調査を行い、局部的な改築を施すなどの適切な対策を講じることにより施設の延命化を図っているため、有形固定資産減価償却率は高い値となっています。
全体総括
いずれの指標においても、類似団体平均値及び全国平均値と比較して、良好な経営状況であることが確認できます。今後は、下水汚泥処理方法の見直しや合流改善、管渠の長寿命化や施設・設備の老朽化による修繕等の維持管理費の増加など、将来に向けた課題を抱えていますが、経費回収率が100%を大幅に上回っている現状に鑑み、財政状況や今後の水需要の見通しなどについて考慮するとともに、市民生活や経済活動への影響等を十分勘案した上で、平成30年4月(5月検針分)から、使用料の引下げを行っています。また、経営戦略の策定を見据えてアセットマネジメントを実施し、中長期的な視点での計画的な施設更新や財政計画の策定により、健全経営の持続性を確保していきます。